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#6

『宇宙飲んでみた』/LINEの向こうに本人はいる?/記憶は過去に所属するのか?

※ 本文はAIによる自動文字起こしをもとに作成し、発言内容を保ったまま一部を整理しています。一部、実際の発言と異なる場合があります。

第6回では、宮澤伊織『ときときチャンネル 宇宙飲んでみた』を取り上げ、宇宙をマグカップに入れて飲むようなありえない出来事が、YouTube配信の会話やコメントを通して妙に具体的に感じられる面白さについて話しています。そこから、画面の向こうにいる相手は本当に本人なのかという話が、LINE、メルカリの定型メッセージ、AIへの「ありがとう」、生身の会話に含まれる表情や空気へと広がります。後半では、言葉をどう受け取るか、記憶が思い出すたびに変わること、名前が出てこないときの頭の働きへと進み、最後に小説が「ありえない体験」を自分の経験のように感じさせることへ戻っています。

二本録りと、今回は二人とも小説

辻本:9月十七日木曜日十五時半です。neoコーキョーの辻本達也と。

友田:代わりに読む人の友田とんです。

辻本:ふくませるラジオは小さな出版社をやりながら、エッセイや小説を書いている友田とんと辻本達也が、最近読んだ本の話から始めて、本の外へ出ていくラジオです。毎月第二第四木曜日配信で、感想は「#ふくラジ」でお願いします。今日もよろしくお願いしまーす。

友田:お願いします。

辻本:[笑い]毎月毎回、あ、毎回これ、言っちゃうと毎回二本撮りしてるじゃないですか。結構こう、初回、初回というか初回と二回は食の本で。

友田:うん。

辻本:似ていて。で、前回はそうでもなかったのかな。

友田:前回。

辻本:僕だってキリンの本であれですよね。

友田:一週一週。

辻本:一週一週。それ違う。で、今回は、友田さんが小説で、僕も小説。もうじゃあいきますか、もう。僕はあの、これ、あの宮澤伊織さんっていう人の、

友田:はい。

辻本:あのSF系の本書く方なんですけど、『ときときチャンネル 宇宙飲んでみた』っていう。[笑い]

友田:これなんか見たことあるような気がするな。

『ときときチャンネル 宇宙飲んでみた』――宇宙をマグカップに入れる

辻本:

友田:どの本ですか。

辻本:最近で、でもこれ続編出てて、『ときときチャンネル ない天気作ってみた』っていうのが続編で出てるんですけど。

友田:なんか見たことある。それだけど、辻本さんの何かで見たな。

辻本:ああ、そうか。[笑い]これでも、ときときチャンネルっていうのは、あのYouTubeチャンネル、これ、あのYouTubeチャンネルの配信を、まあ小説にしたっていう形式で書かれてる小説で。

友田:なるほど。あ、カバーの写真も。

辻本:そうです。二人の女性がときときチャンネルっていうチャンネルをやっていて、で、その配信の様子を、これ-これもう毎章一回ずつなんですけど、六章かな。六章あって、まあ「宇宙飲んでみた」、「時間買ってみた」、「家の外なくしてみた」とか、まあなんかそういう、毎回こうYouTubeの一回の配信を、一章ずつにしている小説なんですけど。あのまあ一人、その二人の女性のうち一人が、まあなんか、なんて言ったらいいのかな、まあまあマッドサイエンティストみたいな女性で。

友田:うん。

辻本:で、もう一人は、まあなんかしっかり者の。で、あのマッドサイエンティストの方が全然、なんていうか、生活力がないので、せ-生活費を稼ぐためにYouTubeチャンネル始めるっていう[笑い]、まあ設定になってるんですけど。で、そのマッドサイエンティストの方が、まあ例えば宇宙をマグカップに入れていたりするんですよ。

友田:はい。

辻本:で、まあなんかそういうの、そう、だからそういうのを一つずつ、「これ何ですか?」っていうのを毎回言ってて、まあトラブルになったりっていうのからライブで配信されてるから、まあそれをコメントがあったりとかっていう本で。

友田:はい。

辻本:これなんか、わ、僕はなんか面白いと思ったのは、まあなんか最初、まあ今言ったみたいに、一章は、一章というか、第一話は「宇宙飲んでみた」なんですよ。この題名になってる「宇宙飲んでみた」で。これまあまあありえない話なんですけど。その、その主人公、まあまあ主人公って言っていいのかな。主人公が、なんだっけな。十時さくらで、あのマッドサイエンティストの方がたたらさんなんですけど、あのたたらさんは、に、まあ「今日なんか何してるんですか?」って言いに行ったら、あのマグカップに、あの宇宙が[笑い]、宇宙を入れたと。

友田:はい。

辻本:で、まあ「それ飲んでみていいですか?」っていうところから始まるんですね。[笑い]

友田:はい。

辻本:で、それが、まあなんかありえないんですけど、本当に飲んでみた、なんか食レポとかするんですよ。

友田:はい。

辻本:まあ例えば、そうだな、まあこれちょっと読まないとわかんないと思うから。あ、そう、だから例えば「たたらさんは飲んだんですか?これ美味しかった?」って言ったら、「ううん」って言って、「あ、まずいんですね」って言うんですけど、「いや、うまいとかまずいとかじゃない。あえて言うなら面白いかな」って言うんですよ。で、まあ「食レポしますね」つって、まあなんか途中で「これマグカップ洗いますか?」とかいうのが挟まって。で、まあなんか間で、まあなんか超臨界流体とか何かそういうワードとかも入ってきて、まあなんか本当っぽい感じにもなりつつ、描写がありつつ、あ、そう、で、まあこれは「うん、美味しいのか美味しくないのか。あのですね、味が、味?でいいのかな。一応この変な感じの冷たさをこれの味としておきますね。口に入れた瞬間、ちょっと感じたことのないタイプの冷たさがふわっと染み渡ってきて、そう、染みるんですよ。染み込んでくる。それで、その冷たさの中に逆に自分が溶けていくような、みたいな」。

友田:うーん。

辻本:そのなんていうか、日常の、まあなんかYouTube配信なので、こう本当に日常の中でありえないことを、なんかすごくあり得そうな体感を説明しながら描写されていて。それがまあずっと続いていくんですけど。

友田:うん。

辻本:なんかこの、で、しかも、なんか宇宙の説明とかはちゃんとするんですよね。その宇宙って- ま、 マグ、マグカップに入るものではないんだけど、まあ例えば「宇宙を飲む」ってことは、普段だったら、水だったら自分より小さいものを自分の中に入れるわけだけど、宇宙を飲むってことは、自分より大きいものを、本来、本来自分より大きいものを自分の中に入れるわけだから。っていう、なんかその、そういう、。「ありえないんだけど、宇宙についての説明にもなっている」みたいなことが、こん毎話続いていくんですよね。まあ一話はだから宇宙で、二話は時間なんですけど。で、三話が空間でみたいな。

友田:うん。

辻本:のが、こう、これまあYouTube配信なんで全部セリフしかないと思うんだけど。

友田:あ、そっ、な、かい-会話だけで。

辻本:そうです、そうです。うん。全部がカギ括弧なわけじゃないんですけど、全部。

友田:地の文がほとんどないっていう。

辻本:そうです、そうです。たぶな-ないと思うな。一個も。違う?ない、ないですね。

友田:全然ないっていうのも小説だと珍しい。

辻本:珍しいですよね。だから工夫されてます。このたたらの方だけがカギ括弧になっていて、そのさくらの方は全部、地の文なんだけど、セリフですね。

友田:あ、あ、じゃあ地の文だけど、本当の地の文はない。

辻本:ないですね。だからあの、っと、視聴者のコメントか、多田羅のセリフか、さくらのセリフしかない。ないです。

友田:心の中とかないっていうこと?

会話とコメントだけで進むYouTube配信小説

辻本:ああ。ない気がするな。だからそれってあれだと思います。YouTubeチャンネルだからできる気がする。その全部言うじゃないですか[笑い]。

友田:つまりそのYouTube配信を、を見てるのを書いてあるみたいな。

辻本:そうです、そうです。

友田:その、なんていう、なんだっけ。字幕と。

辻本:あ、そうですね。うん、本当にそういう感じ。

友田:へー。

辻本:うん。

友田:あ、本当だ。カギ括弧なしのところがむしろ片側の人が喋ってる。

辻本:そうなんです。そうなんです。

友田:うーん。

辻本:これ結構僕あの、新しいなと思いました。そのYouTube 配信だからっていうことではなく、そのSF、SFじゃないか、この科学の、実はよくわかんない、「宇宙って何だろう」とか「時間って何だろう」とか「空間って何だろう」とかって、なんか素朴に思う時あるけど。それが、こう、何て言うか、あ、まあその先の、先のじゃないか、その前話の、その友田さんと話した「小説って何だ」っていう話と近くって、その自分がこうなんか体験できる形で、「宇宙って何だろう」って、なんかちょっと分かった気になったり、「時間って何だろう」っていうのが分かった気になるっていうのが、まあしかもドラマとかあるんですよ。そのなんか空間を歪ませたりしちゃう時に、なんか別の世界から怖いのが来たりするみたいなドラマも、ドラマもあるんです。その、だから平行世界を、何て言うんですかね、YouTube配信なので、自分の家がバレたら良くないっていう話、まあそういう設定もちゃんと入ってくるんですよ。で、家バレしないようにってことで、このたたらの方が、その家の自分の周りをモザイクにだけすればいいのに、そこを、ま、なんか自分たちの世界じゃないものを引っ張ってきて、もうそうしちゃえば自分たちの周りがわかんないじゃないかってことで、平行世界を引っ張ってくるんですよ、周りに。で、そしたらなんかその平行世界からこっちの世界にこうボーンって入ってきちゃうものがあって、なんかそこで結構ドラマがあるんですけど、そう、で、逃げたりするんですけど。なんかそういうのも入ってて面白いですね。

友田:その、なんか今聞いてて。

辻本:うん。

友田:その、我々、我々がっていうか、YouTube配信、今、この現実世界でYouTube配信する人たちが-

辻本:はい。

友田:...配慮っていうか。

辻本:はい。

友田:気にしてる。

辻本:はいはいはい、そうです。

友田:まあ宇宙レベルでいうと、まあ瑣末なこと-

辻本:はい。

友田:...と、

辻本:はい。

友田:その、なんか宇宙-

辻本:でっかい、そうです、そうです。

友田:...っていう非常に大きな話が一緒くたになって。

辻本:本当にそうです。

友田:のその界面で面白いことが。

辻本:いや、本当にそうですね。うん。

友田:え、それ面白そうです。

辻本:これもなんか面白いんですよ。

友田:それ-

辻本:はい。

宇宙の話と「家バレ対策」が同じ場所にある

友田:...やってる本人たちはそのお-おかしさに自覚的なんすか?それともこれ その小説読んでる側が自覚的で面白いってこと?

辻本:それは、っと、さくらは別に今日何が起きるか分かってないので。

友田:さくらっていうのが。

辻本:その、話を聞く側ですね。で、たたらも別に本当は配信に出たくないんですよ。

友田:あ、そう。

辻本:そう。だから、[笑い]そのさくらが来るので、「あ、今日これやってたよ」みたいに出すので。何て言うのかな、設定として、だ、お互い今日何やるかっていうのは、そんなに分かってないっていうか。で、勝手にトラブルになっちゃったりするっていう設定になってるから、まあ建て付けが上手いのかもしれないです。

友田:その、例えば、 ちょっと毎日まだ読んでないところもあるんですけど。

辻本:はい。

友田:マグカップに宇宙が入る。

辻本:はい[笑い]。

友田:でもそれは「入る」っていう前提。

辻本:はい。でもそれは、まあまあこれも別に設定自体がむちゃくちゃなんですけど、そのたたらがなんか「インターネットさん」っていう- のに繋げることができるっていう風になっていて。で、それはもうなんか今のインターネットではなく、なんかよくわかんない、なんかいろんなものをつなげた先から、なんか、たまたまこう宇宙をそこからすくい上げられる技術がわかるみたいな、のと繋ぐことができるっていう設定になってます。

友田:それでやってる。

辻本:そうです、そうです。

友田:え、その、例えば宇宙をマグカップに入れて、

辻本:うん。

友田:マグカップの中身を飲むじゃないですか。

辻本:はい。

友田:そうすると自分で自分も飲むみたいな。

辻本:あ、そうです、そうです。本当にそんな感じで、ここから描写進んでいって、なんかだから、その世界が、こう一回自分が世界になったみたいな、感じとか。あとは、そのなんかこの中で、僕もす なんかしっかり覚えてるわけじゃないけど、なんかこう水滴に、なんか一粒の水滴があったとして、で、水滴にはこう周りの世界が映ってるじゃないですか。で、その中に、こう一粒水分子が入ったら、まあなんかその、だから宇宙を飲むっていうのは、宇宙に映っている自分が宇宙の中に入るみたいなもんだみたいな。まあなんか[笑い]、うまく説明できてるかわかんないけど。うん、そんなような。そうそうそう。で、なんか途中から結構そういう感じで。で、見て、あのコメントでもなんかもう「ほとんどLSDじゃん」みたいなコメントがあったりとか、しながらなんか進んでいきます。だから途中、あ、そうそう、だからこれもなんかさっきの友田さんが言ってくれたので面白いところで、コメントもなんか結構、それを全部受け入れる人もいれば、「これCGじゃん」みたいなコメント書いてる人もいるし。そう。でなんか、途中で一回こう跳 回とかもあるんだけど。で、それに対してのなんか考察記事みたいのですごい批判されてましたみたいな。

友田:うーん。

辻本:なんか「全部CGだあんなの」みたいな書かれてましたって。

友田:あーなるほど。

辻本:そう、とか、なんかそういうのもありました。

友田:そうか、まあ確かに、その、動画配信だから。

辻本:はい。

友田:動画配信された結果だけを見てしまうと、

辻本:うん。

友田:それはただ動画じゃないかって。

画面の向こうは本物か――チューリングテストとLINE

辻本:そうですね。でもまあ基本ライブでやってるから。

友田:うん。

辻本:し、多分本人たちの反応を見てて本当だなって思う人が結構いるっていう作りになってると思いますね。

友田:まあそう、そう、そうですよね。うん。いや、でもその、なんか今その言ったのは、その、チューリングテストとかと一緒で。

辻本:はい。ああ、はいはいはい、そうですね。はいはいはい。何が本当かってことですよね。

友田:そう、向こう側にあるものが、ただの機械なのか、

辻本:うん。

友田:なんか生物なのかみたいな、人間なのかみたいなのをチューリングテストはテストして。

辻本:はい。

友田:でも中身を開けてチェックするわけじゃなくて、

辻本:うん。

友田:やりとりして、「これぐらいやりとりできるってことは人間なんだろうな」

辻本:はい。

友田:っていう、まあちょっと今もうそういうのが-

辻本:もう本当に。

友田:なくなっちゃった。

辻本:そうですね、そうなっちゃってますからね、今。

友田:それでいうと、YouTube配信してるから、

辻本:うん。

友田:見てる人はYouTubeの配信、もちろんインタラクティブなやりとりはできるとしても、YouTube配信を見てるだけだから。

辻本:うん。

友田:画面に何かが映ってるとか、

辻本:はい。

友田:画面の向こう側に人がこう言っているっていうのはもちろん観測できるんだけど。

辻本:うん。

友田:その向こう側が本当-

辻本:そうそう、本当にそう。僕それ一番思うのは、日常で。LINEなんですよね。LINEって、あの向こうに本当にこの人がいるのかなって思う時ないですか?その僕よく[笑い]、この返ってきてるのって、いやなんか-

友田:あ、そう。

辻本:...いや、本当にこの人が返してるかどうか俺確かめたことないけど。でも確かに、だから家にその人が帰ってきたり、会った時にその話したら、 あの、なんつうんですか、共有できるから、その人だっていうのはわかるけど。普段別にそんなに会わない人と例えばLINEする場合、全然わかんないなって思う時ありますよ。

友田:今それを言われて、「そんなのないよ」って思ったけど、ちょっとありますね。

辻本:ああ。

友田:なんかね、それこの間、

辻本:はい。

友田:高校の

辻本:うん。

友田:同級生で、

辻本:はい。

友田:そんなに、その後別に会ってるわけじゃないけど。

辻本:うん。

友田:けど、本当に高校を出てから、その、よく知ってる同級生と飲んだ時に、その彼も来てて、

辻本:うん。

友田:その時LINEを、も、交換したんだけど。

辻本:はいはい。

友田:でも別にその後やりとりないから、

辻本:うん。

友田:なんか何もないんだけど。

辻本:はい。

友田:なんか何年かに一回、

辻本:はい。

友田:なんて来るんだって。

辻本:[笑い]おお、何年かに一回。

友田:何年かに一回、

辻本:うん。

友田:こう、急に来て。

辻本:はい。

友田:なんとかさんからのおすすめの漫画が届いたよって[笑い]。

辻本:ああ、はいはいはい。

友田:これなんか、何かを踏んでるんじゃないかと思うんだけど。

辻本:それ、なんかまさにそれ、なんか僕最近ありましたね。すごい知り合い、前によくLINEしてた人から、そのなんか「これ買ってね」みたいな。で、「もしできなかったら連絡してね」みたいなLINE来てました。

友田:それは詐欺じゃない?

辻本:詐欺ですね。 え、それは詐欺じゃないんですか?友田さんのやつは。

友田:それはわからない。

辻本:[笑い]

友田:なんか、ア-アプリとかだと、なんかあの友達のリストとかを-

辻本:ああ。

友田:読み込んだりしたら-

辻本:そういうことか。

友田:登録したりとか。

辻本:はいはいはい。

友田:なんか友達に勧めるボタンみたいな。

辻本:はいはい。

友田:押ちゃったらなんか送られちゃう。

辻本:一回押したら定期的に送られるみたいなのがもしかしたらあるのかも。

友田:あるのかなと思って。

辻本:はいはい。

友田:ちょっとわかんないんですけど、ただまあこの瞬間に何かはしたんだろうなと。

辻本:はい。

友田:その自覚があるから。

辻本:うんうんうん。

友田:ボタン押して友達にも勧めますか?「はい」みたいな。

辻本:うん。

友田:押しちゃってて。で、一斉にみんなに。

辻本:うんうんうん。

友田:この交流のない私にも、その読んでる漫画が勧められてしまうっていう事故が起こっているんじゃないかと思って。

辻本:そうですね。

友田:でも確かに、その、本人が何か意思としてメッセージを送ったつもりもなく、メッセージだけが届く現象は、まあ今はある。

辻本:そうですね。しかも、だからそれに気づかないと詐欺に引っかかるけど、まあ今回の場合は気づいたから、なんか文章おかしいなって思ったし、この人がなんか買ってっていうことないだろうって思うからわかったけど。でもそれって別に普段から目の前で喋ってるわけじゃないから、わかんないじゃんと思うんですよ。うん。

友田:そういうことですね。

辻本:うん。

友田:最初に辻本さんが、そのLINEでやりとりしてるけど、その人が向こうにいるかどうかって言った時に、なんかそのなんかもっとマトリックスみたいな。

辻本:[笑い]違います、違います。

友田:そんな人間みたいなものがいるかどうかわかんないみたいなこと言ってたのが、さすがにその[笑い]とは思ったんだけど、そうじゃなくて、その人がいるかどうか、実在するかどうかではなくて。

辻本:そうです、そうです。うん。

友田:今その人がこのメッセージを。

辻本:あ、そうです、そうです、そうです、そうです。うん。

友田:わからないなみたいな。

辻本:うん。だから怖いなって思うんですよ。なんかたどって、データをたどっていくこともできないし。

友田:うん。それこそ、メールを送ったら、なんか自動返信になってる時とかありますよね。

辻本:はいはいはい、あります、あります。

友田:会社とかだと。

メルカリの定型文と、ロボット同士のやりとり

辻本:はい。

友田:送ったら何日までなんか。

辻本:うん。

友田:課を取得していますので。

辻本:うん。

友田:なんか返信はそれ以降になります。

辻本:そうそう、それでいうと、あのメルカリって使います?

友田:いやほとんど-

辻本:使ったことないですか。今ってメルカリって、まあ例えば僕が友田さんが出品している、じゃあ本を買ったとして、で、そうすると、メッセージを送ることができるんですね、その友田さんに対して。で、だから例えば、じゃあ「初めまして、この度購入させていただきました。到着まで楽しみにしています。よろしくお願いします」みたいな、書くこともできるんですよ。で、書いたら、まあ向こうの人が、じゃああの、「こちらこそよろしくお願いします。二、三日で発送しますのでお待ちください」みたいな返信ができるんですよ。で、最初はこうだったんです。こういう風に成り立ってたんです。なんですが、これ何年ぐらい前かな?三、四年ぐらい前から、そのメッセージボックスの上にボタンがあって[笑い]、その、な-何て書いてあるのか忘れましたけど、そのボタンポチって押すと、「初めまして、購入させていただきました。さ-最後までよろしくお願いします」っていうメッセージが入るんですよ、もう。その、ね。で、これって、まあその、よくわかんないっていうか、いつも僕、結局押すことも結構あるんですけど、結局いつも同じなので、相手に、最初の別に知らない人だし、同じなので。でもこれってもう僕がやる必要なくない?って思うわけです。

友田:まあそうですね[笑い]。それって-

辻本:はい。

友田:何ですか、その定型の文章は。

辻本:はい。

友田:辻本さんが普段からそういうことを言いがちだから、そういう-

辻本:いや、もうね、みんな、いや、みんなにあると、同じだと思います。みんなが同じボタン。その例えば購入した時はこのメッセージ、で、向こうから発送されてから押す、押すと「発送ありがとうございます」になるみたいな。もうただそれだけです。で、到着後は多分三-三パターンぐらいしかない。

友田:でも向こうからしたら、

辻本:うん。

友田:もちろんその仕組みを知ってればわかるけど、

辻本:はい。

友田:向こうからしたら、

辻本:はい。

友田:それが手打ちで、

辻本:はい。

友田:手入力で入れられたメッセージなのか、

辻本:はい。

友田:そのボタンによって入れたメッセージかがわか-

辻本:わからないです。でもまあそれも当初最初の話であって、もう今ってもうそれでもう何年もやってるわけですよ。だからもうみんなお互いテンプレートだってわかるわけですね。で、そうしたらもうそれって[笑い]、その代理戦争みたいな話で、もう勝手にこのアプリ内でポポポポポンってやりとりが走ればいいだけのことなんですよ。すごい面白い。

友田:それは違うんじゃない[笑い]?

辻本:いやいや、でもだ 押す必要ない-ないわけじゃないですか、言ったら。

友田:でも押したっていう-

辻本:のが大事なのか、大事なのか。はいはい。

友田:電報で祝電みたいな。

辻本:はい。

友田:祝電って、

辻本:はい。

友田:定型文、電報って自由文と定型文があって。

辻本:はいはい。

友田:自由文は本当に-

辻本:ああ、そうかそうかそうか。

友田:定型文は、

辻本:はい。

友田:なんばんって言ったら、

辻本:うん。

友田:「この度ご結婚おめでとうございます。末永くお幸せにお過ごしください」とか。

辻本:はい。

友田:入るんですよ。

辻本:はい。

友田:それ定型文。で、その定型文を別に自由文にそのまま書いてもいいけど。

辻本:確かに。

友田:定型文の方が多分安い。

辻本:はい[笑い]。まあでもそれに似てますよね。

友田:じゃあ、「結婚します」って言われたら、勝手に[笑い]送られても困るんですよ、俺。[笑い]

辻本:まあそうか。でもなんかいつも不思議だなと思うんですよ。毎回押して、押して送信ボタンを押すんですけど、まあこれが大事ってことか。

友田:だし、あと、なんか選択肢がないんですか?

辻本:選択肢はないです。一個しかないです。え、でも変えられますよ。押した後、自分で打ち直すことできますよ。

友田:あ、それ定型のが、フォームとか。

辻本:そうそう、入るんです。入るんです。はい。はい。

友田:ハンコですね。

辻本:そうです、そうです。

友田:でもハンコが一種類。

辻本:そういうことか。そうか。

友田:やっぱね、選択肢がないっていうのが。

辻本:あー、確かにな。

友田:アン natural さなんじゃないですか。

辻本:いや、で、僕はその友田さんが言ってることも今わかったんですけど、その、これって、ある種、僕の、僕の、なんて言ったらいいのかな。僕が使ってるロボットと向こうの発送元の人のロボットの間でやり取りがなされれば終わっちゃう話だなと思ったんです。うん。

友田:それは。

辻本:うん。

友田:あ、いや、それも非常に今、もちろんど-どの話もよくわかってるんですけど。

辻本:はい。

友田:でも、いや、そこ面白いなと思って。

辻本:うん。

友田:えと、そこで、 どこで違和感を感じるかっていうことと、

辻本:はい。

友田:なんか別のことも示唆してるなと思って。

辻本:ああ。

友田:それは何を今思ったかっていうと、例えば会社で、

辻本:はい。

友田:会社っていうか組織で、例えば私の方がなんか例えば管理する側で、

辻本:はい。

友田:その下にスタッフの人がいるとするですか。

辻本:うん。

友田:そしたら、勝手にやっといてくれることはもちろんありますよね。

辻本:はい、あります。

友田:送り先から、

辻本:うん。

友田:ありがとう、なんか「お願いします」って言われて、

辻本:はい。

友田:「わかりました」とか。

辻本:はいはいはい。あります。

友田:「完了した」とかじゃなくて、「いつにしますか?」って。「明日持っていきます。」「じゃあ明日でお願いします。」

辻本:あー、はいはい。確かに。うんうんうん。

友田:上司。

辻本:そうですね。「わかりました」って、「メールしときました」って言わないですもんね。はい。

友田:とか、「お願いします」って来たんで、「わかりました」って言いました。「明日持っていきます。」「明日がいいです」って言って、「明日持っていきます」って言いましたみたいな。その一個一個のトランザクションは報告しなくて。

辻本:はい。

友田:なんか、なんか、これなんて言うんだっけ。

辻本:マイルストーン。うん、うん。

友田:に到達した時には、マイ マイルストーンをどうするかとか。

辻本:はい。

友田:あれ、マイルストーンに行けないんだけどどうすればいいかみたいなやり取りはあるとしても。

辻本:そうですね。

友田:なんか、そのマイルストーンが決まってて、そこに行く前の[笑い]、

辻本:道のりを、うん。

友田:トランザクションをいちいちは確認。

辻本:言わないですね。はい。

友田:で、そ、だから、そのチームさんの、そのボタンを押して、お互いやりとりなんて別にどうせやる-やるんだから、

辻本:はい。

友田:自動的にやってればいいじゃんっていうのは、

辻本:[笑い]はい。

友田:それはその、そ-そういう、何て言うんだろ、スタッフの人がやってくれてるのを勝手にやってもらって。

辻本:あー確かにそういうことだわ。

友田:しなくてもいいのではないかみたいな話。

辻本:確かに確かに。

友田:私はとはいえ、

辻本:うん。

友田:やりとりは全部私が見た方がいいのではっていうのは、

辻本:うん。

友田:まあ、なんかその何でも抱え込んでいる。[笑い]人。

辻本:確かにね。あ、そうそう、で、この話ってあれなんですよ。別に送らない人もいるんですよ。

友田:うーん。

辻本:その別に、だって購入-購入が主なやりとりだから。で、その後に別に「よろしくお願いします」って言わなくても、別に当初ってそうだったと思うんですよ。別に多分メッセージももしかしたらなかったかもしれない。まああったか。で、

友田:困った時だけやりとり。

辻本:とかだった気がするんですよ。で、丁寧な人だけがやるとかだったと思うんだけど。その、まあ多分星、なんか評価とかが出てきてからみんな丁寧にやるようになったような気がするんだけど。その、そうそう、だから、なんて言うか、その今の本当に友田さんの話で、もうなんか元々は別に買うだけでいいのに、業務的にやりとりがあるので、さらに僕はこれ、 ハンコ押して送るっていうのをやるのは[笑い]、別に勝手にやってくれりゃいいのになって思ってるってことかもしれないです。

友田:でも今、そ、一通りそれを聞いて思ったけど、それは自動でいい。[笑い]

辻本:だよね。

友田:それ何かっていうと、

辻本:はい。

友田:なんか、てかこれ非常になんか、もしかしたら日本的な話。

辻本:はいはい。うんうん。

友田:元々はただ単にお礼を言いたい時にお礼。

辻本:そうです、そうです。

友田:問い合わせられるためにメッセージの、その、チャンネルが作られてたのが、

辻本:はい。

友田:なんかやったら必ず「ありがとうございました」ってそこに書-書かないといけないかのような

辻本:うん。

友田:空気ができてきちゃって。

辻本:そうなんですよ。うん。

友田:みんな同じことをやるから、

辻本:うん。

友田:同じことやるだけなんだけど、

辻本:[笑い]

友田:同じことを簡単にできるようにボタンが

辻本:そう。うん。

友田:用意されてしまうっていう、よくわからないことが起きていて。そしたらそれも別に自動で[笑い]できますっていうのも、そ-そう。

辻本:だからね、多分進んだらそうなるのかなと思うんですけどね、このまま何年か行ったら、その自分で押したい人は押す、自動、まあ例えば、その、購入時は、購入時と向こうが発送してくれた時とこっちに到着した時、にはもう自動で送るみたいなのがもう多分できてもおかしくないっていうか。

友田:なんかもうそうなったら、やんないでいい。

辻本:そうだと思うんだけど[笑い]。

友田:その、なんかそういうのあります?だから、なんかすごい不思議な。

辻本:不思議ですよね。

友田:不思議な国なんですよ。

AIに「ありがとう」と言うのか

辻本:うん。

友田:日本は。まあ日本以外もあるかもしれないけど、その、自動で[笑い]感謝してるんだったら、もう感謝して。

辻本:いや、本当にそうです。そうです。それはそうですよね。

友田:え、感謝ってマナーじゃないですか。

辻本:うん、うん。

友田:[笑い] まずしたかどうか。

辻本:そう。

友田:だと思うんですけど。でも感謝しなきゃいけないっていう、そのなんか、義務みたいな話が。

辻本:うん、うん、うん、そうですね。

友田:で、むしろ感謝のメッセージを送ってないのは失礼なんじゃないか。

辻本:そうそうそう、それはそうなってるんですよね、今。

友田:で、それで、だ、それはあの、メールとかで-

辻本:うん。

友田:...どこで終わりにするか問題もありますよね。

辻本:あー。

友田:「なんとかお願いします」、「わかりました」で、もう終わってんのに-

辻本:うん。

友田:...「早速、了解いただきありがとうございました」

辻本:[笑い]無限ですね、それもう。[笑い]

友田:最近困るようになったから、あのなんか、メッセージを返さずに、なんかあの、絵文字-

辻本:あー、ありますね。

友田:...「OK」みたいな。

辻本:はいはい。グーみたいなね。

友田:そう。ボタンを押すことになって、あれができてずっと楽になったって言ってる人もいるし。

辻本:[笑い]そうなんだ。

友田:なんならそれが、じゃあ今度は自動化されるようになってくるのかもしれないけど。

辻本:うん。

友田:なんか、変なんですよね。

辻本:うーん、でも変わんないでしょうね、これは。不思議。あ、そうそう、だからメルカリはそれがね、毎回面白いなと思いながら、ポチって。僕は、だからハンコだと思ったら、でもちょっと楽になりました。ハンコだなと思って。

友田:まあハンコですね。であと最近はそれに加えて、生成AIとの-

辻本:はい。

友田:...やりとりで-

辻本:うん。

友田:...回答もらった後に-

辻本:はい。

友田:...あの、お礼を言うか言わかねえか[笑い]。

辻本:ああ、お礼を、 「このメール来たけど、お礼を言った方がいいですか?」ってことですか?

友田:いや違う。AIに「これって何なんですか?」って聞いたら、「これはこれこれこれこれで、こういうものですよ」って。例えば、なんだろう、「無調整豆乳って何ですか?」

辻本:ああ、はいはい。はい。

友田:「無調整豆乳っていうのは」と。

辻本:ああ、そういうことか。はいはいはい、わかりました。AIに対してってことですね、はい。はいはい。

友田:「砂糖とか、麦汁とか混ぜてないやつのことを無調整豆乳というんですよ」

辻本:はい、と言いますよ。

友田:「あ、なるほど、そういう意味だったんですね」

辻本:ね、ありがとうございます。[笑い]

友田:言うかどうかも。

辻本:あ、俺でもたまに言いますね。

友田:僕は基本的に[笑い]言わないです。

辻本:ああ、ああ。俺、頻度減ってきました。

友田:減ってきた?

辻本:はい。最初は言ってたんですけど、最近は、な-なんというか、...チャットが進むほど重くなるんですよ。

友田:わかる。

辻本:だから、「ありがとう」 んーで、これが「ありがとう」が積み重なって、重くなんのが早くなるの嫌だなと思い始めて。

友田:ふーん。

辻本:だから「ありがとう」たまにしか言わなくなりました。

友田:あれって、でもトランザクションまた一からやると-

辻本:うん。ああ、全然-

友田:...元に戻る。

辻本:...戻ります。でも、コンテクストが継承されないんですよね。

友田:そうですね。

辻本:うん。

友田:まあだからその、渡してるコンテクストが、巨大な、トークンを渡してるから重たく-

辻本:そうそう、重たくなってる、そう。ああ、でも確かにそこにもありがとう問題ありますね。でも本当は毎回思ってますけどね。

友田:思ってる?

辻本:思ってます、思ってます。

友田:でも、なんか、生成AIとか-

辻本:はい。

友田:...あのチャットツールは-

辻本:はい。

友田:...欧米由来だから-

辻本:はい。

友田:...思ったことは言わないと伝わらないじゃないですか。

辻本:ああ。[笑い]

友田:日本みたいに、こう、空気みたいなものでは伝わらなくて、やっぱり「ありがとう」と思ったら。

辻本:[笑い]あ、そういうことか。確かになあ。

友田:で、なんかね。

辻本:うん。

友田:[笑い]これも別に信じてないんだけど。

辻本:はい。

友田:ある人が言ってたのは-

辻本:はい。

友田:...もし将来-

辻本:はい。

友田:...AIが-

辻本:はい。

友田:...その、もう人間より強くなって-

辻本:うんうんうん。

友田:...で、なんなら、その肉体とかを持つようになった時に-

辻本:はい、はい。

友田:...その、なんか、やられる。

辻本:[笑い]ああ、そういうことね。はいはいはい。うん。

友田:恐れがないとも限らないと。

辻本:はい。

友田:その時に-

辻本:うん。

友田:...やっぱり日頃から-

辻本:うん。

友田:...「ありがとう」って言ってくれてた人と、言ってくれてなかった人を比べた時に-

辻本:あー。

友田:...どっちを生き残らせるか。

辻本:そういうことか。

友田:やっぱ「ありがとう」って言ってくれてた人の方を-

辻本:うーん。

友田:...残らせるのではないか。

辻本:確かに。でもそれはそうだわ。

友田:冗談を言ってる人がいて。まあでもこれ、あながち[笑い]-

辻本:あながち間違いじゃないですね。

友田:で、それこそ最近、まあ、話題にもなってるじゃないですか。

辻本:ああ、はいはい、ちょっと危機みたいなね。

友田:超-超知能-

辻本:はい。

友田:...になった時に、人類を滅ぼす-

辻本:はい。

友田:...恐れがあるっていう。

辻本:言ってますね、最近。

友田:それに関しては私は、まあいろいろ言いたいこともあるんですけど。

辻本:うん、うん。

友田:でもまあ、そういうこともあるし。

辻本:うん。

友田:まあ「ありがとう」は言っといた方がいいです。まあでも、でもそれもまた-

辻本:はい。

友田:...「じゃあありがとうって、ボタン[笑い]、ボタン-

辻本:ボタンで言えばいいのかと。あ、そうそう、その話で言うと、そうだ。ね、前、ある人が、このスマホの-

友田:はい。

辻本:...スマホって「あり」って打ったら-

友田:うん。

辻本:...「ありがとう」って出るじゃないですか。

友田:出ます。

辻本:押せば。それをちゃんと「ありがとう」って思ってる時は「う」まで打つって言ってました。

友田:へー。

辻本:[笑い]

友田:手で、自分で。

辻本:そうそう。

友田:それは-

辻本:[笑い]

友田:...自分の問題だっていうことですよね、だから。

辻本:そうですね。でもそうですよね、今の話って全部。

友田:そうですね。

辻本:そうですよね。で、メルカリもそうだし、その、AIに対するありがとうも、その、言われたら毎回ありがとうって言うわけじゃなくて-

友田:うん。

辻本:...本当に思ってありがとうって打つと。

友田:うん。自分の、でもね、自分の問題だっていうことと-

辻本:うん。

友田:...相手の問題だっていうのは-

辻本:うん。

友田:...実は本質的には同じ問題なんですよ。

辻本:お?[笑い]

友田:本当に思った時は手で「ありがとう」って入力してて。

辻本:うん。

友田:そうじゃない時は例えばボタンで押してるだけだとさ。

辻本:はいはいはい。

友田:それで自分の問題としてはもうそれでいいわけなんですよね。

辻本:うん。

友田:本当は。

辻本:うん。

友田:思った時にはちゃんと伝えて。

辻本:うん。

友田:外身からは区別はつかないけど。

辻本:うん。

友田:自分としては-

辻本:はい。

友田:...ちゃんと「ありがとう」って思ったか思ってないかっていう-

辻本:うん。

友田:...違いがそこにあるわけなんだけど。でもそれって裏返すと、見かけ上は同じメッセージしか届いてないんだけど-

辻本:うん。

友田:...相手は本当に「ありがとう」って思ったんだろうか、思ってないんだろうかっていう違いがあるっていうことなんですよね。

辻本:はい。

友田:だから-

辻本:ああ、そうか、常にどのメッセージにもってことですね、はい。

友田:自分でその違いに気づいているってことは、相手にも、その見かけはわからないけども、違いがあるって気づいてるっていうことだと。

辻本:はいはい。それ確かに確かに。やる、それに意識してる人ほど、相手のメッセージもいろんなタイプがあるって思ってるってことだ。

友田:そうです。

辻本:うん。

友田:で、それは場合によっては、それって疑心暗鬼にもなるっていうことなんですよ。

辻本:はいはい。

友田:で、ちょっと話が飛びますけど。

辻本:はい。

友田:京都の、言葉のいけず問題っていうのありますよね。

辻本:え?

友田:あの。

辻本:ああ、はいはい。

友田:言ってくれって言わずに。

辻本:はいはいはい。

友田:「あ、そろそろ、お茶漬けでもどう?」

辻本:はいはい。

友田:っていう。

辻本:はい。

友田:とか、「うるさい」って言わずに-

生身の会話には、顔や空気も含まれている

辻本:うん。

友田:...「なんかピアノが上手ですね」[笑い]って言うっていうね。あるじゃないですか。

辻本:はい、あります。

友田:これも本当にピアノが上手で褒めてる可能性があるわけですよ。

辻本:はい。

友田:とか、本 「美味しいお茶漬けがあるから食べて帰ってほしい」っていうのもあるわけですよ。

辻本:そうです。ないだろうけど、あるんでしょうね。はい[笑い]。

友田:っていうのもあって。

辻本:はい。

友田:で、それどうなんだろうっていうのがあるわけですけど。

辻本:うん、うん。

友田:で、まあ、ある時期そ-そ-その話を結構考えてて。

辻本:はい。

友田:要するにどっち、どうとも取れる-

辻本:そうです、そうです。うん。

友田:...メッセージ。外身には区別がつかないんだけど、どうとも取れるメッセージっていうのもあって。

辻本:うん。

友田:だから結局受け手側が-

辻本:うん。

友田:...そのどう、自分がどうだと受け取るかっていう問題。

辻本:はい。

友田:言う側が自分がどうだと思って言うかっていう。

辻本:うん。

友田:もうそこしかない。

辻本:そう。で、これって生身だとちょっと違うんですよ。と思うんですよ。で、それは、あのメッセージと、何て言うんだ、メタメッセージっていうのかな、その、その人の顔とかがあるじゃないですか。だからその人が、そう、お茶漬けのことを言ってる時も普通の顔してるかもしれないけど、ちょっと皮肉っぽい顔してたら帰ってくれってこと。

友田:そうですね。

辻本:なんだろう。そう。で、そこでさらに、そのメルカリとかLINEではそれがわからないので、本当に相手がいるのかっていうところまで疑心暗鬼になる[笑い]。

友田:最初のその話。

辻本:そうそう。

友田:なんかだからね。

辻本:うん。

友田:日本のこのコミュニケーションの特殊な-

辻本:はいはい。

友田:...特徴と、

辻本:うん。

友田:このデジタル化っていうか、

辻本:うん。

友田:簡単に複製可能なものっていうのが、

辻本:うん。

友田:相性が非常に悪い。

辻本:そうなのかもしれないですね。だからTwitterとかでもね、なんかわけわかんない揉め方になりますよね。で、なんか無限になるじゃないですか、デジタル上って。この、お互いもう相手もいないからいくら言ってもいいし、その終わりがないっていうか、相手が目の前にいたら、ん-なんていうか疲れるし、あの[笑い]、途中でやめると思うんだけど。

友田:だから。

辻本:うん。

友田:いや、だからそれはなんか大きな問題があるようでもあり、

辻本:うん。

友田:でもこれを何かクリアする何かがあると、

辻本:うん。

友田:非常に大きなアドバンテージが日本のコミュニケーションの特殊性にはあるように。

辻本:あー。

友田:その、いや、大体よく言われるのは-

辻本:うん。

友田:...日本の方がダメって言われることが多いじゃないですか。

辻本:うん。まあ例えばわかりやすく言えば反抗なんかいらないじゃないかみたいなね。はいはい。

友田:だけど、

辻本:うん。

友田:その、何て言うのかな。例えばそのさっき言った-

辻本:うん。

友田:...京都のいけず、

辻本:はい。

友田:いけず、僕はまあいけずっていう言葉使わないけど、

辻本:うん。

友田:その、そういうなんか、違う意味で言ってるんじゃないかっていう話。

辻本:うん、うん。

友田:でもあれもなんかね、話を簡単にしすぎだと思ってるんですよね。

辻本:あー。

友田:その、本当にいけずでそういうことを本当に言ってるんだろうかっていう疑問が抜け落ちてるっていう。

辻本:あー。

友田:要するにね、あれは判断の保留、ただ保留なんじゃないかって思ってるんですよ。

辻本:ほうほうほうほうほうほう。

友田:どう取ってもいいっていう。

辻本:うんうんうん。

友田:言ってる方もどうとも別に言ってないっていうか。

辻本:うん。

友田:お茶漬け食べて帰ったらっていう気持ちがないわけじゃない。

辻本:はいはいはい。それはそうかもしれない。

友田:だけど、

辻本:うん。

友田:帰ってもいいんじゃないかっていうのは言ってると思ってて。

辻本:うんうんうんうん。

友田:そこをなんか保留っていうか。

辻本:うん。

友田:だから、言う側も判断保留してるし、

辻本:うん。

友田:受け手側も判断保留できるし。

辻本:うん。

友田:後で決めてもいいっていうか。

辻本:うん。

友田:で、その時決めなくていいとか、

辻本:うん。

友田:あるいはゼロイチでもないみたいな。

辻本:そうですね。 うん。

友田:別に、口では綺麗に言ってるけど、

辻本:うん。

友田:真意は真逆のこと言ってます。

辻本:だけじゃない。そうですね。

友田:ことなんじゃないか。で、だって、その、ボタンを押すのと同じで、

辻本:はい。

友田:本当に「お茶漬けどうですか?」が「帰れ」っていう意味を持っ-持ち-持ってないんだとしたら、

辻本:はい、うん。

友田:それを「帰れ」って言ってるのだって本当は。

辻本:まあそうですよね。それでみんな学習してそう思いますよね。

友田:でもそうじゃないんじゃないかって。

言葉を額面どおりに受け取ること

辻本:うんうん。

友田:どらかは、本当に「お茶漬けを食べたらどうか」っていうメッセージが、

辻本:ああ、確かにね。

友田:び-微量でも含まれてるんじゃないか。

辻本:うんうんうんうん。

友田:こと?その、

辻本:うん。

友田:知らない人は本当に食べて帰ったってバカにされ、笑われたって話もあるんですけど、

辻本:うん。

友田:その知らない人だけではないっていうか、

辻本:うん。

友田:知らない人のふりもできる。

辻本:はいはいはい、確かに確かに。それはそうだ。ただ、余地がありますよね。確かに。

友田:その遊びの部分、

辻本:確かに。

友田:むしろ意味があるんだって。

辻本:うん。

友田:それの真意は何なのかってことが、

辻本:うん。

友田:実は本質じゃないんじゃないかと僕は思ってるんですよ。

辻本:うんうんうんうん。僕はなんか今聞いてて思ったのは、これなんか遊びだなって思いました。その、なんか冗談とかもそうで、その、「わかるかな?わからないかな?」みたいな時あると思うんですよ。そのギリギリを投げてみて、今ちょっと僕は例を挙げられないから、ちょっとうまく伝わるかわかんないけど。そのー、で、届かなかった時、まあなんか、なんかこ なんか、ある、なんだろう、飲み会とかに行って、いつものグループだったら届く冗談を言ってみたら、ただそのボールが落ちていったみたいな時ある[笑い]。よくあるんだけど。

友田:怒られるって。

辻本:そうそうそう。で、それって遊びだと思うんですよ。その、で、さっきのその京都の人だって、それは、わかんない、その、本当は帰ってほしいのかもしんない。でも、読み取れるかなっていう部分もあるような気がするんですよ。で、それ、なんかそこは俺、面白いところだなと思います。その、に、まあ日本だけなのかわかんないけど、でも結構、そのなんかそういうお笑いとかって、結構そういう、言語ゲームみたいなとこあると思うので、なんかその、読み取れるかなゲームが日常の中にちょこちょこ入ってくるっていうのは俺は楽しいことだなと思うので。確かにそのなんかスタンプ、スタンプじゃない、ハンコとは別に、でもハンコと被ってることだから、それって。それはおも-面白い部分ですよね。 そっちだけが残れば面白いのかもしれない。

友田:うん。

辻本:だから普段から読み取るっていうゲームが多いってことですよね、多分。日本人は多分。

友田:まあそう、そっか、そういうことね。

辻本:だからこれ言っとかなきゃいけないとか、挨拶して、ここでありがとうを言わなきゃいけないとか、別に[笑い]。

友田:仕草みたいな。

辻本:うん。

友田:マナー。

辻本:うん。

友田:マナーとか仕草みたいなことなんですかね。うーん。その、でもその冗談が通 だ、それこそね、

辻本:うん。

友田:そう、まあ私、そ-それこそ例えば、

辻本:うん。

友田:本当に意味のない問いとかを立てて、

辻本:うん。

友田:考えるみたいなエッセイを。

辻本:はいはい、そうです、そうです、そうです。

友田:で、なんか、よく言うのは、時代劇の水戸黄門が

辻本:うん。

友田:時々負けたらど-どうなるかみたいな。

辻本:はいはい、はい、はい。

友田:それをわざわざ本に刷って、

辻本:うん。[笑い]

友田:たくさん印刷して

辻本:うん。

友田:売ったりとかしてる。

辻本:はい、はい、はい。

友田:もう、その、紙資源が。

辻本:そうですね。

友田:普通の人にそんなことしたら、

辻本:そうです。

友田:だから怒られるような。

辻本:はい。僕もそうですよ、それは、はい。

友田:ですよね。それについて、「本当に友田さんは、あの[笑い]、意味のないことを、

辻本:ああ。

友田:言ってますよね」っていうことを言って、 まあ、その瞬間褒めてると思うんだけど。

辻本:ああ、はいはい。

友田:で、 って言って笑う人がいたとして。

辻本:はいはい。

友田:やっぱそれ、で、その時は、

辻本:うん。

友田:「あ、なんかその意味のないってことを、面白がって褒めてくれてるんだな」とも思うし。

辻本:うんうんうん。

友田:だけど、時間が経ってその会話を思い出した時に、

辻本:うん。

友田:「あれってだけど、

辻本:うん。

友田:褒めてるのか、それともなんかちょっと、

辻本:ああ。

友田:バカにしてるのかな」みたいに、

辻本:はいはい。

友田:感じる時が、

辻本:うん。

友田:まあないわけですよ。

辻本:はいはいはい。

友田:その時の表情とか。

辻本:うんうんうん。

友田:で、しかも動画で見てるわけじゃないから、

辻本:はい。

友田:その時の表情なんて、

辻本:うん。

友田:記憶のねずみ算になったりもするから、

辻本:そうですね、はいはいはい。

友田:あの間があって、微妙な間が。

辻本:[笑い]バカにしてたのかもみたいなね、はい。

友田:それ、あれって、表向き褒めてるけど、

辻本:はい。

友田:要するに京都の言葉で、

辻本:そうですね、はい。

友田:実は綺麗な言葉でバカにし、

辻本:うん。

友田:されてただけなのかみたいな。

辻本:はい。

友田:批判されてただけなのかみたいな可能性だってあるわけですよ。

辻本:そうですね、はい。

友田:なんかだからね、それを思うと、でもやっぱそれも保留っていうか、

辻本:はい。

友田:だから結局自分でどうだと思うかを

辻本:うん。

友田:決めるしかないってことなんですけど。

辻本:そう。全部だって疑ったら全部の言葉が怖い、攻撃に感じますよね、だから。

友田:全部?

辻本:「面白かったですよ」って言われたのはさ[笑い]、「あれは皮肉かな?」みたいな[笑い]。

友田:「面白い」って言ってたってことは。

辻本:[笑い]そうそう。[笑い]「面白いっていうのはそういう面白いじゃなくて」みたいな。

友田:そうそう、だから、なんか結局そうすると、その、自分の問題、自分でどう思うかをやっぱり、

辻本:うん。

友田:軸を持つしかないっていうことにな-

記憶は固定されたものではない

辻本:うん、そうですね。でもまああまりに読み取りをミスってると、ずっとこっ反応をミスることになるから。[笑い]

友田:そうだから、一つは、軸通り受け取るっていう。

辻本:あ、そうです、そうです、そうです。それはそうだと思う。

友田:ものすごく大事なことは、どんなこともまず「ありがとう」って言ったら、相手は-

辻本:そう。いや、俺はそれは基本にしてます。うん。

友田:「素晴らしい」って言ったら、「この人素晴らしいと思ってくれたんだな」っていう風に、まず軸通り、額面通り受け取るっていう態度は必要です。

辻本:そう。で、多分リアルタイムの会話の時は、その読み取りが必要になるんですよね。

友田:あー、そうそうそう。で、しかもまあその時情報量が多いから。

辻本:そう。でも持って帰った時はもう別にいいんだと思うんですよ。褒められたらものは褒められたってことで。[笑い]

友田:それで言うと、随分前に、進藤さんが言ってた、「友田さん結構昔なんとかさんがなんとか」っていう。

辻本:ああ、覚えてますよ。はい、今でも思いますよ。はい。

友田:あれはだから善し悪しで。

辻本:ああ、ああ、ああ。

友田:要するにこう、「覚えてる」って言っても、それは多分記憶だから、事実っていうか。

辻本:ああ、そういうことか。はいはい。

友田:動画とかじゃない。

辻本:思い出されちゃっているような感じがするだけっていうか、はいはい。

友田:で、それって要するにある種改ざんされてて、捏造だってされてる記憶なわけですよ。だから、「あの時、あの人がああ言ってくれた」だからね、それをうまく使ってる時はいいんですよ。

辻本:うん、確かに、確かに確かに。

友田:「あの時、あの人があれをいいと言ってくれてたから、きっといいに違いない」みたいなのはいいんだけど。

辻本:うんうんうんうん。

友田:「あの時、あの人はいいと言ってたのは」

辻本:確かに確かにそうか、自分の中で変わっていっちゃうってことが。

友田:それは困ったこと。

辻本:確かに。あー、そうそう、僕多分その時も話したかもしれないけど、僕はあんまりこう、何かから、例えば小説読んで自分の体験が多分友田さんほどの個数思い出されないと思うんです。なんかそう喋ってる感じ。だからあんまりこう、なんて言うかな、「あの時あれ良くなかったかな」とか、「あの時ああ言われたけど、実はこうだったんじゃないか」って思う回数があんまり多くないんです、僕。

友田:あー、なるほど。何でしょうね、まあ私は結構それが、その「あの時こうだったんじゃないか」というよりは、そもそもの思い出してることの数がすごい多い。

辻本:うんうんうんうん。

友田:だから、ということですね。あと、「あの時こう言ってたのが、実はこうなんじゃないか」っていうのが、やっぱうまく使えてるといいんですよ。

辻本:うん。

友田:それは考えが改められてる。

辻本:うん、うん、うん。

友田:改めることによって何か得られるものは-

辻本:そう、だからなんか僕はそういうところが「友田さんはこう、文学的だな」って思うんですよ、 友田さん自身が。

友田:[笑い]あ、そうか、そう、確かにね。ぶん-文学って、その、そういうところがありますね。

辻本:そう、だから主人公がその、何かもう考えなくていいことを考えてたり、何か、何かから何か思い出したり、 あの、やんなくていい方向に進んでいったり[笑い]っていうのはあると思うので。

友田:確かに、そっか、それを文学的って言うと、それはなるほど。

辻本:うん。

友田:それは面白い。それで言うと、なんかね、うーん、なんて言うかな、なんて言えばいいんだろう。なんて言えばいいんでしょう。眩しいですか?

辻本:いやいや、いいです。ちょうどいい、いい光が来たなって感じ。

友田:夕方になるとこっちから差してくる。今何を言おうとしたかっていうと。

辻本:はい。

友田:これちょっとなんかうまくなんて言えばいいんだろう。その記憶のをうまく使うっていうことの、スタンスが、私も本を書くようになって、この何年間かの間に随分変わったなと。

辻本:あー。

友田:それは何かっていうと、やっぱ記憶がな ある、こう、 フィックスか、固定されたものだっていう立場から、なんかもうどんどん実は変わっちゃうもんだっていう立場が変わってるっていうか。

辻本:うん。

友田:だから前でいうと、「あの時、あの人がこう言ったのは」っていうのの、その言ったとか、言った時に感じてる感じっていうのは、なんか前の方がずっともっと固定された不動のものだった。

辻本:はいはいはい。うん。

友田:だからいかに解釈を変えるかみたいな話になって。

辻本:うん。

友田:あったこととか感じ方は変わってないっていうのが昔の立場だけど。

辻本:はいはい。

友田:今はそもそも思い出してる記憶自体がどんどん改変されたり、改ざんされてるからっていう立場で、そうするとやっぱりそれに対する処し方がかなり変わる。

辻本:うんうんうん。

友田:前だと解釈変える。

辻本:そうですね、そういうイメージですよね、普通は。

友田:だけど今だと、そもそもこれ思い出すか思い出さないかみたいなことも含めて、かなり恣意的っていうか、みたいな感じになってる。

辻本:うんうんうん。

友田:だから、なんて言うか-

辻本:だからあの『老水盆』の最後の方はそういうテーマになってますよね。

友田:そうですね。だからあそこでガラッと変わって。

辻本:で、なん-なんというか、今こうざっくりとしか覚えてないですけど、その、きよ-記憶なのに、今に、その記憶の時系列が 今になってるというか、な-なんかそ-そういう部分があって、そこが面白かったんですよね。

友田:思い出してる今起きてることだみたいな。

辻本:うん、うん。

友田:でも確かに今鮮明に思い出してるわけだから。

辻本:そうですね、それは。うん。

友田:何か考えが変わってるんだから。

辻本:うん。

友田:それは今経験してることと同じこと-

辻本:そうですね。うん。面白かった。最後の方面白かったですね。

友田:があの本の中で、私の中では一番ちょっと-

辻本:うん。

友田:...攻撃的-

辻本:はい。うん。

友田:...ですね。うん、そうそう、それは思いますね。

辻本:うん。

友田:でも、で、それ、そういうことを別に言ってるなんか哲学者とかがいないわけじゃ全然ないと思うんですよ。

辻本:ああ、うん。

友田:哲学者だってそういうことを書いてると思うんですけど。

辻本:うん。

友田:あれをまあじ-自分-

辻本:体験としてね。うん。

友田:ちゃんと実感を伴って思ったっていう-

辻本:うん。

友田:...重要だなと思いましたね。

辻本:うん。

思い出して話すと、記憶はまた作られる

友田:そうそう。子供の時に小豆-

辻本:あ、そうそう、小豆ね。そう。

友田:排水溝から生えてきて、それをじーっと眺めてたっていう記憶を、一度も思い出してなかったのに-

辻本:うん。

友田:...なんか思い出して、

辻本:うん。

友田:思い出した瞬間、自分が植物に興味をなんか持ち始める。

辻本:うん、うん。

友田:ということはさ、思い出す、思い出してるのは今思い出してるけど、

辻本:うん。

友田:それ今経験してることと-

辻本:うん。あそこら辺はこう、なんというか、いい具合に読者としての僕がわけわかんなくなるっていうか、その、わけわかんなくなるっていうか、その文章がわかんないわけじゃなくて、なんか、タイムパラドックスの、あの映画、[笑い]この、いい、いい比喩かわかんないけど、その、こ-「こっちから来てたはずなのに、なんかあれ、こうぐるっと回ってこっちに来たよ」みたいなのが、その、あんまり他にはない読み心地でしたね。

友田:うーん。その、どういう感じですか?

辻本:そのなんかその、多分その書いている時系列と、今のその小豆の話っていうのは、過去の、小豆の話は過去の話なんだけど、その、それを思い出している今、今なぜか植物の、その過去見ていたもので今興味を持ち始めるっていうのは普通ないことなんだけど、なんかそれがこう今のこととして書かれていて、そこに何か奇妙な面白さがあったという感じですかね。

友田:そうです。

辻本:うん。

友田:ありがとう。いや、あそこは、しかもあそこはほとんど何の苦労もなく書いたんですよね。

辻本:ああ。

友田:あそこは、こう、本一冊書くのの、こう途中ぐらいで書いて、

辻本:うん。

友田:本になるまで、その後ものすごい色々苦労をして書いたんですけど。

辻本:確かにあそこは説明、普通に考えると難しそうに見える箇所だけど。

友田:とても変なことを-

辻本:うん、変なこと言ってます。

友田:...一瞬で書いてる。

辻本:ああ。

友田:で、あれ、 あれをなんとか絶対本にしないといけないと思って、

辻本:うん。

友田:そこに行くまでのいろいろは結構。

辻本:うん、そのため 組んでいかなきゃいけないってことですね。確かに。

友田:自然にたどり着いてもらうためにはどうすればいいか。

辻本:うんうん。

友田:それをずっと書いてたんですよね。うん。でもなんか、でもあれ読んで「は?」みたいな人も多分多いと。

辻本:そうかもしれないですね。その前半が逆にすごい分かりやすいっていうか、から、途中から、わかんなくなる人もいるかもしれないですね。

友田:と思います。あとなんか、「え、小豆?なん-なんのこと?」みたいな。

辻本:まあでもああいうのって読んでたらね、あの別にその時わかんなくても。

友田:と思います。

辻本:っていうようなテキストな気がするし。うん。

友田:なんかそういうことが読んでる人にも起きたらいいな。

辻本:うん。

友田:って思いながら書きました。

辻本:うん。

友田:でもなんか、まあまた記憶の話になっちゃうけど、なんかすごい面白いなと思うのは、

辻本:はい。

友田:別に記憶っていうのは全部頭の中に、まあ覚えてるわけじゃないですか。

辻本:はい。

友田:だけど、その、全部はわかってないっていうか、その-

辻本:うん。

友田:...一時的には。

辻本:はい。よくわからないと思う、本当に。

友田:その、つまり例えばね、こう、なんか面白い話があったとするじゃない。

辻本:はい。

友田:面白い話を覚えてるわけですよね。

辻本:うん。

友田:[笑い]だから、で、多分その人が例えば説明していったら、

辻本:うん。

友田:聞いた人が笑うっていうのは、それは聞いた人は知らないから笑ってるわけであって、

辻本:うん。

友田:喋ってるうちに喋ってる人が自分で笑っちゃう場合って-

辻本:[笑い]あります、あります。はい、ありますね。

友田:だって知ってる-

辻本:そうですね。

友田:...喋ってるうちに笑うとか、本当はおかしいわけですよ。

辻本:確かに。

友田:だけど笑っちゃうってことは、

辻本:ああ。

友田:それは知ってるっていうことと、なんかちょっと違うっていうことなんですよ。

辻本:なんか結局体験するってことなのかなぁ。

友田:そん時、やっぱそれをその時-

辻本:ああ、確かに、確かに。

友田:私は思ってるんですけど。

辻本:確かに記憶っていうのはこう貯蔵されてるって思うと、何かそこ、そういうシンプルさではないような気がする。てかどれぐらい保存されてるんだろう。

友田:録音を出すのが正しいかどうかわかりませんが、録音はあの-

辻本:全部保存そうですよね。

友田:全部保存してあるって言ってます。[笑い]

辻本:はい。で、なんかの隙間。そうなんだよ。これ話すとあれだな、あれだけど。[笑い]

友田:あ、もう一時間喋りました。

辻本:はい。[笑い]

友田:あ、でもなんか、でも、その全部覚えてるっていう。

辻本:はい。

友田:まあそれはちょっとあれかもしれないけど、でもなんか経験したら全部その影響の痕跡はあるっていうことですよね。

辻本:うん。

友田:何かは、要するに、あの物理現象と同じで、

辻本:うん。

友田:なんかドンってぶつけたら、ぶつけた時になんかその細胞とか物質に

辻本:うん。

友田:状態の変化が必ず起きてるじゃん。

辻本:はい。

友田:その変化がそこでは何か及ぼされてるって意味では、

辻本:うん。

友田:全部影響がそこに残ってるっていう。

辻本:うん。確かにね。で、なんかそのあれですよね、多分特徴的な体験とかは、こう、なん-なんて言うか上にこう、あの印が見えやすくなっていて、それと同じようなことが起きると、それがぴょんって引っ張り出されるみたいな[笑い]感じなのかなっていう感じだけど。じゃあそれはどこにあるんだっていう、その時間の帯みたいなものっていうのはね。

友田:そうですね。だからなんで、そもそもね、なんで思い出せるのかとか、本当に

辻本:うん。

友田:不思議ですよ。

名前が出てこないとき、候補が多すぎる

辻本:はい。

友田:で、逆にまたなんで思い出せないのかが不思議な場合もあるし。

辻本:ああ、そうですね。

友田:この間あの、ある演劇を見に行って、

辻本:はい。うん。

友田:アフタートーク出たんだけど、

辻本:はい。

友田:その時に、行く道で、その自分が最近書いた『カタカナの行方』っていう短編を

辻本:はいはい。うん。

友田:書いたんですけど、それを読んだある方が、

辻本:うん。

友田:ある劇作家、もう亡くなった劇作家を、

辻本:うん。

友田:の不条理劇を思い出しましたみたいなことを言ってくれて。

辻本:うんうん。

友田:その話するかもと思ったから、

辻本:うん。

友田:その劇作家の名前を思い出そうとしたんだけど、

辻本:はい。

友田:本当に思い出せなくて、

辻本:はい。

友田:ずっと頭の中で岩松了って違う劇作家の名前

辻本:ああ、違う。[笑い]

友田:出てきちゃって。「えっと、これ誰だったかな?」とかって言って、いっぱい他の劇作家の名前出てくるんだけど、

辻本:うん。

友田:井上ひさしもないしなとか、「誰だったかな」とかってなったんですよ。それで仕方ないから、あの「あ」から順に「あ」、「い」

辻本:[笑い]はい。でも思い出せなくないですか?それでいけました?

友田:僕はこれが結構できる。

辻本:あ、いけ-できた。ああ、そうなんですね。俺あれ-

友田:で、それでね、この間それでなんかね、なんでこれで思い出せるんだろうと思ったんですよ。

辻本:はい。

友田:なんじゃないですか。

辻本:はい。

友田:思い出せてないのに、「あ」から順に

辻本:うん。

友田:「あ」とか「い」とか

辻本:うん。うん。

友田:言ってったら、で、は-「た」ぐらい、「た」ぐらいやってる時に、

辻本:うん。

友田:「あれ、ひょっとしてこれ行き過ぎちゃったのかな?」と思って、また「あ」から「あ」とか「か」とか。

辻本:[笑い]その感覚がまず面白いですけどね。「行き過ぎちゃったのかな」って。

友田:うん、なんかそれも不思議。

辻本:はい。

友田:なんか分かるんですよ。

辻本:はい。

友田:それで、そしたら「た」まで来て、「やっぱないな」と思って。

辻本:うん。

友田:「つ」「て」「と」「つ」「な」「に」「ぬ」「ね」「の」って言って、で、「は」って言ったら、「は、は、ひ、は」なんかハ行っぽいな。

辻本:[笑い]なんだろう、その感じ。

友田:「ふ、へ、あ、わかった」つって。「別役実だ」って。

辻本:ああ、「へ」でわかったんだ。

友田:ダメな時、もっと厳しい時は、もっと「あ、あ」とか「あ、か」なんか-

辻本:ああ、そこまで。

友田:「かさ」とか「か-かた」とか。

辻本:それこそ『カタカナの行方』じゃないですか。

友田:そうそう。二文字組み合わせを全部やっていくと、まあその方がかなりもう音が出てきてるから。

辻本:すごいですね、それ。うん。

友田:つけられるんですけど。これがね、なんでかとかちょっとこの間わかったんですよ。

辻本:おお。

友田:かなりこれ今非科学的な話をしてるかもしれないけど、ポイントは出てこないことじゃなくて、出てきすぎることなんじゃないかって思って。

辻本:おお。

友田:つまりこの間で言うと、私の頭の中でなぜか知らないけど、ずっと岩松了って出てきてて、

辻本:うん。

友田:それが邪魔をしてるんですよ。

辻本:確かに。

友田:なので、岩松了からいかに離れるか。

辻本:うんうんうんうんうん。

友田:だからね、他の音を出してる間は岩松了、岩松了さん、別に何かないんですけど。

辻本:はい。

友田:その他の音を出してる時には

辻本:うん。

友田:「い」の音が出ない。

辻本:はい。

友田:この、このことがポイントなんじゃないかと。

辻本:ああ。

友田:そしたらで、順番に一個ずつ音を出していけば、

辻本:はい。

友田:出るところでちゃんと出る。

辻本:そうか。確かにそうかも。はいはいはい。

友田:しかも特定のノイズが、な-高くなりすぎる。

辻本:すごい大声で喋ってると。

友田:聞こえない。

辻本:うん。

友田:聞こえてないっていうこと。で、そのノイズをうまく

辻本:うん。

友田:聞かないようにする方法としては-

辻本:いや、でも「へ」でわかってよかったですよね。「べつ」まで行くには大変ですよ。

友田:それだとちょっとだいぶ無理があったと思いますね。だから、あとなんか漢字思い出せない時とかも。

辻本:うん。

友田:なんか「こんな感じ」みたいなとか。

辻本:へー。

友田:その鳴り方とか。

辻本:ハ行っぽいなみたいのが一番面白いなと思いましたね、その。

友田:これはでも本当にわかんないですね。なんでこ これはそれこそ大学受験の頃から。

辻本:俺それでいけたことないな、あんまり。

友田:人名で、だから世界史とか。

辻本:はいはいはい、ありますね。はいはい。

友田:人名はほとんどこれでいける。

辻本:すごい。

友田:ただこれを人前でできないんですよ。だから。

辻本:確かに時間かかりますよね。時間かかりますよね。

友田:「すいません、今ちょっと思い出せてなくて」とかって言って。

辻本:ああ。[笑い]そこが演劇みたいになりますよ。[笑い]

友田:なっちゃうんだけど。だけど、それで大体いけるっていうのが、前は出てこないからだって思ったけど、なんかむしろ特定の音が出過ぎてる。

辻本:限定した方がいいんだ。

友田:スコー もっとむしろそこを除外できる。

辻本:うんうんうん。

友田:こううまく見つけるといけるんじゃないかと思って。

辻本:確かに。だからそれは別にそれじゃなくてもいいかもしれないってことか。でもそれは面白いですね。思い出し方としてね。探索が広すぎると確かにわけわかんないもんな。

友田:ある種の、 えっと、。ADHD的。

辻本:うんうんうん。

友田:特性みたいな。そのいろんなものにき-気がち-散るっていう、そのいろんなものがあって、

辻本:うんうんうん。

友田:こう、次々出てきすぎるっていう問題への対処。

辻本:あ、でも逆に言うと、すごく合理的っていうか、絶対五十音から始まるわけで。

友田:そうそうそう。

辻本:ね。

友田:その中に絶対。

辻本:そういうことですよね。

友田:あるのに、

辻本:うん。

友田:なんで見つけられないかって。しかも特定の音鳴らせば、

辻本:うん。

友田:言えるはずのぐらいの程度のことなのに言えなくなってるってことはどういうことなのか。

辻本:岩が多すぎるってことですね。岩ばっかりになっちゃって。

友田:岩ばっかり音が聞こえてきてっていう。

辻本:あ、面白い。

友田:みたいな話がね。

辻本:うん。

友田:思いつきました。これ、科学的根拠は別にないけど、実感としては非常に。

辻本:うん、そうかも。

友田:そうだな。

辻本:うん。

友田:感じは私の中ではある。

辻本:いや、面白かったです。

ありえないことを「体験する」小説

友田:でもちょっと小説の話をもっとほんとは聞きたい。

辻本:いやいやいや、でもでも今の最初に話した話でほとんど同じですよ。はい。

友田:でもこの小説も面白そう。

辻本:これ面白いです。これやっぱ、やっぱこれ、小説がそのなんか体験できる体験なんじゃないかっていう面白さがかなり詰まった小説な気がする。その、その「YouTubeを体験する」っていうのもあるし、それだけじゃなくて、「宇宙を飲む」っていう体験をしている人のことを体験するっていう、ありえないことなんだけど、なんか体験してる気がするっていうことなので。

友田:なるほど。

辻本:面白いと思う。そのだから、単に山、その単にって言うとダメな感じになっちゃうけど、その山を違う道で登るっていうのは、あ-あり得る話だけど、宇宙を飲むっていうのはありえない話。けど、なんかそれを体験してる感じがするっていうのは、なんかすごく新しいなと思いましたね。まあ新しいことではないけど、うん。

友田:その、再話っていうか、再話って再び話すっていう。

辻本:はいはいはい。

友田:人が話しているのを聞くっていうのの持つ説得力みたいな。

辻本:はい、そうですそうですそうです、そうです。

友田:これが、あの「私が」ってか-ずっと書いてあったら、

辻本:うん。

友田:ちょっと、まあ作り話、特に。

辻本:そうですね。

友田:作り話になる。

辻本:ああ、本当にそうだと思う。

友田:こういう経験をしたんですよって言ってる人の話っていうのは、

辻本:うん。

友田:ちょっと違う。

辻本:うん。だから、この、これってあれ、これ帯あったかな。あ、帯もなんか帯の紹介とかも面白くて。だからこの、この人とかはその「理系のフォロワーが『これ本物かも』と騒いでいたのでアーカイブ遡ったけどさすがに加工だよね。でもなんか癖になるんだよな」みたいな、あの帯の書き方してて。で、この人も中にいる設定で。

友田:あーそうそう。

辻本:帯書いてて。面白いです。

友田:面白いです。

辻本:うん。

友田:こんな人がいると。

辻本:うん。じゃあ今日紹介したのは宮澤伊織さんの『ときときチャンネル 宇宙飲んでみた』でした。皆様読んでみてください。

友田:ありがとうございました。

辻本:ありがとうございました。

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