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#5

『バリ山行』、暗くなる山で車の音を聞く、小説はなぜAIの返答と違うのか?

※ 本文はAIによる自動文字起こしをもとに作成し、発言内容を保ったまま一部を整理しています。聞き取りにくい箇所などでは、実際の発言と異なる場合があります。

第5回では、長く続いた雨が晴れた日の気分から、天気に左右される身体や気持ちについて話しています。友田が松永K三蔵『バリ山行』を紹介し、登山道を外れる「バリ」、建物の補修工事、山で道を失った記憶から、仕事や探究にもある「バリ」へと話が広がります。さらに、「小説は読んだ方がいい」とはどういうことなのかを考え、ChatGPTのような自分向けの返答を読むことと、小説を読むことの違いについて話しています。

[オープニングミュージック]

辻本:えー、九月十七日木曜日、えー、十四時半です。えー、neoコーキョーの辻本達也と。

友田:代わりに読む人の友田とんです。

辻本:えー、ふくませるラジオは、小さな出版社をやりながら、エッセイや小説を書いている友田とんと辻本達也が、最近読んだ本の話から始めて、本の外へ出ていくラジオです。えー、毎月第二、第四木曜日配信で、えー、感想は「#ふくラジ」でお願いします。えー、今月もよろしくお願いします。友田さん。

友田:よろしくお願いします。

雨が晴れると、気分まで変わる

辻本:よろしくお願いします。今日はどうですかね。なんか。

友田:久々に、まあ昨日からだけど、久々に天気がちょっといいっていうか、あのー、もう秋の感じですけど、なんか今年は夏のもう途中から、夏が途中でど、なんかちょっと腰を折る、折られちゃったというか、だったから、なんかこう、気分もあんまり[笑い]、あのー、こうスカッとしない。

辻本:カラッとしなかったですね。

友田:ね、カラッとしなかったけど、ここ昨日から急に一気にこの長く続いた、なんか秋、なんていうのか、秋雨っていうか。

辻本:しばらくずっと雨でしたよね。

友田:うーん。

辻本:一週間以上雨だったんじゃ。

友田:こんなに秋が、秋っていうか、こう雨がグズグズと八月の下旬から降り続けるっていうのは、あんま、なんかそれこそここ数年にはなかったような感じ。

辻本:なかったですよね。今日僕も本当に、過ごしやすいと思いましたね。

友田:うーん。こういうのがずっと続くと。

辻本:いや、本当に本当に、なんかこういう日ほど、あの普段天気の影響って受けてんだなっていうのを感じるっていうか。今日だったらどこまでも歩いていけそうな感じっていうか。

友田:はいはいはい。

辻本:でも暑いとやっぱ無理じゃないですか。

友田:はい。

辻本:なんかそういう感じが今日しました。

友田:ね、あの、ほんとそう思います。あの、気候の影響というのを非常に強く受けてるんだっていうのは、本当に思いますね。

辻本:そうですね。特にそう、友田さんおっしゃってたみたいに、ここ、ここずっと雨だったので、それがこう抜けたって感じがありますね。

友田:本当にね。だから多分気分があんまりこう、なんか、気持ちが晴れないなって思ってた人とかは、

辻本:うん。

友田:なんかそういう時ってこう、例えばなんかあれがうまくいかないからかなとか、

辻本:やることがないのかなとかね。

友田:そうそうそう。自分、自分の内側に原因を求めていくじゃないですか。

辻本:はい。

友田:まあ確かに最近あんまり仕事がとか、なんかあの人との関係がとかいろいろ考えると思うんだけども、晴れると[笑い]、

辻本:もうどうでもいいやと。

友田:そういうことじゃなかったなっていうのがわかりますよね。で、しかもこれを何十年間も繰り返してるのに、それにはもう[笑い]

辻本:あれ不思議ですよね。あれの渦中にいると気づかないっていうか。じゃあ本行きましょうか。

友田:本行きますか。えっと。

辻本:今日友田さんの。

友田:はい。

辻本:紹介で。

友田:今回は。

辻本:はい。

『バリ山行』――登山道を外れる「バリ」

友田:えーと、松永K三蔵さんの『バリ山行』っていう小説ですね。

辻本:はい。

友田:えっと、これで芥川賞を取る、えっと、まあ発表されたの二千二十年だからもう二年以上前。

辻本:ああ、松永。

友田:圭三、圭三造さん。もともと『かめお』っていうので群像の賞を取られてて、その後これが二作目だったんだと思いますけど。あの、読んでなかったんですよね。

辻本:はいはいはい。

友田:[笑い]

辻本:いや、僕も読んでないです。

友田:あ、本当に。で、あの、最近ちょっと、ここ一、二年、随分なんか人文書をたくさん読んでる時期が長く、まあ仕事の関係で、なが、多く読んでいて、

辻本:うん。

友田:ちょっと今またしっかり小説を読むっていう方に、今自分の体を動かしてるんですけど。

辻本:はい。

友田:で、まあ古いのも読んでるんですが、古典、古典の海外文学とかも読んでるんですけど、あの、なんか同時代の人のものも、

辻本:はい。

友田:もっとしっかり読もうということでいろいろ読んでるんですが。

辻本:はい。

友田:この松永K三蔵さんの、えーと、『バリ山行』っていうのも、えっと、最近読んで、すごい良かった。

辻本:はい。

友田:で、まあそ、良かったのは、まあ、その、皆さんご存知かもしれないですけど、あの、どんな話かっていうと、

辻本:はい。

友田:えーと、まあこれ、だから阪神間、こ-神戸とか大阪の間ら辺の、えっと、なんか建物の、えっと、補修工事をする会社に、この、

辻本:へー。

友田:語り手の私が勤めてるんですよ。

辻本:はい。

友田:そんな大きくない中小の、

辻本:うん。

友田:えっと、本の、本文によると五十人ぐらいの社員で、しかも新築じゃなくて、えっと、建物が建ったら、そう、例えばマンションとかビルとか建った後、補修工事が定期的に要りますと。

辻本:うん。

友田:で、その補修工事をする会社のはい。えっと、話なんですね、の人の話なんです。

辻本:はい。

友田:で、まあ、まず、まず、な-なんで今日私はここで、まあ面白かったから紹介してるんだけど、面白いだけじゃなくて、なんでここに持ってきてるかというと、あー、まあその話は後にしましょうか。

辻本:はい。

友田:それで、まあ一通り、はな、どんな話かっていうのを話をすると、こうタイトルに『バリ山行』ってありますけど、山行って山に行くっていう、その山登りの人たちが、この五十人ぐらいの会社に、なんか登山サークルみたいなのがあって、主人公の人は何年か前に- 他の会社から転職してきてて。だから最初は...あ、違うかな。まあでもなんかその、それで働いているうちに誘われて、そのいろんな部署、なんかその、それこそ経理とか総務の人もいれば、営業の人もいれば、実際その補修の工事をする、その工事をする部署の人もいて、その人たちが時々六甲山とかそういう近場の山を登っているというサークルに誘われて行ってみると。そうすると、今まであんま山なんか登ったことなかったけども、結構気持ちがいいなとかいう話になって、まあちょいちょいその週末に山登りをするようになるんですね。で、この会社に、えっと、もうずっと、まあある種ベテランっていうかの、だけどあんまり人とつるまないメガさんっていう人がいて。その人はもともと工事をするような部署の人だったんだけど、今は営業になってて、なんか細々とした補修を、そのお客さんのところに行って、営業なんだけど、自分でも直しちゃうみたいな。

辻本:はいはいはい。

友田:こう、ちょっと一匹狼みたいな人いるんですよ。普段あんまり人とコミュニケーションっていうか、社内でそんなにつるんだりとかしないんだけど、ある時、その専務が辞める時かな。専務が辞めちゃう時に、なんかこう声かけられて、えーとその人も山登りに来ると。で、一緒に宴会っていうか送別会にも一緒に出るみたいな時があったんですよ。そのメガさんっていう人は、あの、実-実、まあその一匹狼で浪人的な人でもあるんだけど、あの、この、ば-ば、そこでタイトルの『バリ山行』が出てくるんですけど、あの、なんか本来は、本来っていうか山登りってルートがありますよね。登山道とか。こういうコース、こういうコースとかいろいろあって、ここでこうやって登りますよみたいな。ありますよね。富士山とかでもなんかなんとか口から登ってみたいな、ありますよね。

辻本:そうですね。

友田:で、一般的な登山ルートで、まあ基本的には登るんだけど、そういうのに載ってない、こう、ない道っていうかを登るのを、なんかバリっていう、バリエーション、バリエーションなんとかとかって、それを略してバリっていうらしいです。

辻本:面白いですね。

友田:僕もそれ全然知らなくて、『バリ山行』ってタイトルは聞いてたけど、バリって何だろうなと思ってたんだけど。

辻本:はいはいはい。

友田:バリエーションのバリだ。

辻本:あれですよね、スノーボードとかでも。

友田:あります?

辻本:あの、そうなんですよ。なんか、あの、普通のゲレンデの道ではなく、あの、それ以外の山道をドーンって滑ってきて、ポーンって崖落ちてポーンっていくみたいな滑り方も。

友田:があるんだ。

辻本:エクストリームスポーツの一種なんですね。

友田:そうなんですか。

辻本:でも僕は山登りでそういうのがあるのは知りませんでした。

友田:なんかその、そういうのがあるらしくて。で、それで、だからその送別会込みの、えっと登山の日に、なんか来るって言ってたのに最初の集合場所にいないから、なんでかなと思ったら、どこどこで合流するらしいみたいなことを、途中-途中で合流するらしいみたいになって。で、そしたらその山登りの、その、まあ幹事さんっていうか、取りまとめの人が、「あいつはなんかバリア-バリアっとるんや」みたいな。あんまり要するに、こう、ちゃんと登ってる人たちからすると、ちょっとあんまりこう、よく思われてないっていうか。

辻本:そうなんですね。そういう。

友田:その、やっぱりその、危ないっていうか。で、怪我人とかが出ると、それでまたその規制がきつくなったりとかするから、そういうのはあんまダメなんだと。特に集団でやってるところに一人だけそうやって違うルートで登ってくると困るんだっていう。今日だって、なんか途中、まああんまり言うと小説だからあれですけど。

辻本:今の時点で面白いですけどね。

友田:途中で専務が、さい、あの、最後宴会の有馬温泉に行くんですけど、途中の眺望のいいところまで出た後、じゃあこの後有馬の方に抜けるのに、なんかあれだよねって。「メガ君こっちからも行けるんだよね」みたいなことを言って、メガさんが本来の登山ルートじゃないところを、にみんなを連れて-連れてく。そしたら、まあそんな危なくい目には遭わないんだけど、でもちょっと、やっぱりちょっとドキドキっとするようなこともあって。で、やっぱり後でその幹事さんが、「いや、だからああいうの本当困るんだと。万一ここで怪我でもされたら、登山、その登山部、会社登山部なんだからどうすんだ」みたいなことで。

辻本:ニュースになっちゃいますよね。

友田:で、「まあまあまあ」みたいな、そういうやり取りあるんですよね。で、あの、それがその話の設定なんですけど、なんかその、ただ単に、その登山-会社に登山部があって、一匹狼の人がいて、バリをやってるっていうだけじゃなくて、まあもちろん小説なので、ちょっとまあ話の起伏っていうのがあって。あの、もともと、そのいろんな細々とした補修の工事もやる会社だけど、そのいくつか大きな、まあお客さんの会社が、企業があって、そこの補修工事をやったりとかやってるんだけど、ちょっと あの経営の方針変更みたいなのがあって、ちょっと会社のがちょっと傾いちゃうんですよ。

辻本:おー。

友田:で、仕事をこれからどうなるんだろうとかって言って、みんなどうしようどうしようとかって言って。で、集まって会議したりとか、

辻本:うんうん。

友田:あたふたあたふたするんですよね。

辻本:はい。

友田:で、そのバリエーション登山に関しては、そのメガさんは別にあの、誰か誘ったりってことじゃなくて、勝手にやってるだけなのだけど、主人公がまあちょっとしたきっかけで行ってみたいんですよねみたいに言って。

辻本:うん。

友田:で、最初はなんかあんまり連れてってくれるって感じじゃなかったんだけど、あの、なんか「じゃあ行ってみる?」みたいになって行くんですよ。

辻本:はい。

友田:そしたら結構大変なことがあるってことなんですけどね。

辻本:へー。

友田:あの、それ以降の話は、あの小説を読んでもらった方がいいと思うんですけど。

辻本:うん。

友田:で、あ、まずね、な-なんでこの小説すごい面白いなと思ったので紹介してるんですけど、一つは、あの、えっと、辻本さんが、

辻本:はい。

建物の補修工事と『自宅の見えない力』

友田:あの、もともとneoコーキョーの、

辻本:はい。

友田:あれ二号?三号だ。 三号の、あの、自宅、なんだっけ、自宅という。

辻本:自宅の見えない力。

友田:自宅の見えない力っていうタイトルで、えーと、出された時に、あの、ビルの屋上に、あの、一回剥がして、

辻本:はいはいはいはい。

友田:ビニールのシートを貼って、あの、水漏れを防止する工事をやる方にインタビュー。

辻本:防水業者の方に。はいはい。

友田:まさにね、このメガさんって人がやってる仕事っていうのが、そういうマンションとかビルとかの、その漏水、漏水を補修する。

辻本:そうなんですか。

友田:で、張り替えたり、あるいは微妙に漏れてるところを、これは何がどっから漏れてるのかみたいなことを分析して、最小限の工事でその直したりみたいなことをする。この会社自体がそういう会社だし、メガさんがやってる仕事がそういう仕事なんですよ。

辻本:はい。

友田:なんか一回補修した時に、なんかそのいろんな業者に相見積を取ったら、なんか自分とこだけが部分補修でいけるからって言ってやったのに、翌年漏れてきちゃって。だけどこれはそのなんか何年保証みたいなのつかない工事だから、あの仕方ないんだけど、「だけどどうしますか?」って言ったら、全面もう一回やり直した方がいいみたいなことを言いに行ったら、「いや、でも部分補修でいけるって言うからそちらに頼んだんだから、そのみたいな、それだと困る」みたいなこと言ってる時に、このメガさんが、すごい色々調べたら全然わかんなかったのに、メガさんが調べたら「多分ここだと思うな」って言って、ちょいちょいちょいってあんまり工数のかからない形で直しちゃったりできちゃうんですよ。

辻本:あーすごい。

友田:みたいな人だったから、これはこの、あのポッドキャストに、で紹介するといいなと思って。それがまず一個ね。で、私もあの地下鉄の漏水対策とかをフィールドワークしてて、あ、これ全然気づいてなかったと。山登りの。

辻本:僕も知らなかったです。

友田:結構この小説は話題になったけど、山登りで、私別に山登りしないしなと思って思ったんですよ。

辻本:はい。

「山登りしていない」と思っていたのに

友田:で、だから今日ここに持ってきたら、これは話盛り上がりそうだなと思ったのが一個と、もう一個はなんかね、山登りは私はしたことない。これ私のよくあるパターンなんだけど、えっと、山登りしないからちょっとまあ後回しって思ってたんだけど、読んでいくと、「いや、山登ってたわ」と思って。

辻本:おお。[笑い]

友田:あの、山登って、それこそ大人になってから、もう誰かについて一緒に誘ってもらって登ったこともあったし、子供の頃、結構信州に旅行行って山登って、なんならちょっとあの父と私とで、あの遭難しかけたこともあったわと思って思ったんですよ。

辻本:すごいですね、その経験は。

友田:ないですか?

辻本:ないですよ。山は登ったことありますけど。

友田:山で怖い目に遭った経験。

辻本:ないですね。

友田:そうか。でもね、なんならね、だから『バリ山行』読んだら皆さん読んでほしいと思って。

辻本:うん。

友田:これ私今何を言ってるかっていうと、

辻本:うん。

友田:なんか小説読む時に、まあテーマっていうか、何を舞台にした話かってあるじゃないですか。

辻本:あります。

友田:読んで、今回も私もたまたまだけど、山登りはしないから、まあちょっと後でまたなんかの時に読もうと思ったまま読まずに置いてあったんですよね。だけど読んでくと、これはまあ角度を変えると経験があるみたいなとこって結構あるなと思って。

辻本:うんうんうん。

友田:で、それがなんかね、なんか小説読む、読むっていうか、小説の持ってる力みたいなこともあるんじゃないかと思いまして。その、えっと、あとなんかね、鳥取の方の山、それも人と旅行行った時に、ちょっと山、滝見に行ったら、なんかその滝見に行く途中でちょっとよじ登ったり下りたりしなきゃいけないところがあったんだけど、なんか- 落ちたんですよね、私はね。もう十二十年ぐらい、十五年ぐらい前だけど。で、そしたらお尻のポケ、そんな高くないですよ。一メーターぐらいのとこから落ちただけだから、別に怪我はないんだけど、落ちたらお尻のポケットに当時まだガラケーしかない頃、ガラケー入ってて、画面バリバリに割れちゃって動かなくなって、旅行先で携帯をあの契約し直すとか結構めんどくさかった。

辻本:そんなことまでしなきゃいけない。

小説なら、引き返せない危機に入れる

友田:で、いや、山登りは気をつけた方がいいよとかって言って、人から言われたり。その後ね、その話を書いてたら言われたりしたんだけど、そんなすっかり忘れてたんだけど、『バリ山行』読んでると、読んでる間に、あ、なんか自分もそういう経験、その、そのバリエーション登山みたいな、そのやばい経験はないけど、山登ってたし、登ってないと思ってたけど、結構何回も登ってたなって思ったんですよ。っていうのがあって。なんかそういう小説を読む、うーん、面白さだなって思ったのと。あとまあ小説なので、なんかでそのちょっと窮地に陥るみたいな、さっきの会社のがおかしなるみたいなのもあるけど、登山の中でもちょっと危機みたいなのがあるんですけど。うーん、あの、ちょっとここはうまくあれだけど、あの、その、なんていうのかな。現実に本当のやばい危機に、危機に陥るっていうのが、この小説の大きなこう、テーマっていうか、書かれてることなんですけど。本当の危機ってなかなか行けないじゃないですか。

辻本:はいはい、それはそうですね。はい。

友田:それこそ崖から落ちるとか、本当に死んじゃうから、崖からは落ちられないわけじゃないですか。とか、崖にぶら下がっちゃうとか、そういうことはできないわけじゃないですか。だけど、その小説の中で崖に落ちるってことじゃないんだけど、要するに、うーん、ちょっとここの表現が難しいんだけど、面白いなと思って読み進めてったら、気づいた時にはもうすでに崖にぶら下がってる状態だみたいなこと。小説では経験できるんですよ。

辻本:うん。

友田:ちょ、ちょっとこれ今言ってることをうまく言えてる自信がないんですけど。その、実際に歩いてて、もう一歩行ったら危ないなみたいなところに気づかずにもう一歩踏み込んじゃうと本当に危ないから、それはできないわけじゃないですか。だけど、小説だともう次の行まで読んだらやばいことが起きるんだ、起きてるんだけど、でもうわか、そう、多分この次の行で自分は身に危険があるってこともわかるんだけど、もうそこまで読んじゃってると、そこでやめても意味ないっていうか、やめられないみたいな行があるんですよ。で、これ重要だなと思って。疑似的、疑似的っていうか、実際もうそういう経験してるような感じだと思うんですよね。

辻本:はいはい。うんうんうん。

友田:引き返せないような危機にもう入っちゃってるっていう、それ体験できるっていうのはいいなと思って。で、まんまと私はこれだから途中、「あっ、なるほど」と思って、「面白いな」と思って前半読んでたら「あ」ってなる瞬間があって、「うまいな」と思って、良かったなと思います。

白神山地で、道がわからなくなる

辻本:確かにそういえば、あの山登り、僕今ないって言いましたけど、えっと、多分四、五年、三年前ぐらいかな。青森行って、なんか白神山地に行きたいって、あの、一緒に行った人が言うので、行ったんですよね。

友田:はい。

辻本:で、そしたら、えっとなんか僕もう白神山地のことを何にも知らなかったので、えー、なんていうか、なんか神聖なイメージがあって、聖なる感じがなんか勝手なイメージ、何の知識もないイメージですけど、あったので、カラッとしてる印象だったんですけど、行ってみたら、何て言うのかな、林って感じではなく、もうちょい密林みたいな、じめっとした感じだったんですよ。

友田:うんうんうん。

辻本:で、まあそれも登り始めてから気づくんですよね。あれ、なんか思ってたのと違うなと。で、人もあんまりいないし、よく知られてる山、山っていうか場所のはずだけど、別に観光地にもなってるわけでもなくて、こう表示も少ないし。で、でもなんかこっち、まあそれは来たんだから上まで行こうってなるんですけど。こうやっぱりこう、すごくこう観光地化してる場所ではないので、有名だけど、あの表示が少ないんですよね。

友田:うーん。

辻本:で行っても行っても、あの、こっちで合ってるのかっていうのが途中からわからなくなって。

友田:ああ。

辻本:で、結局ね、でも行かないとしょうがないっていうか、途中からもうある程度まで登っちゃうと、その、引き返すのにも時間かかるし。

友田:うん。

辻本:でも多分こんだけ登ったんだから、もうすぐ頂上行ったらなんか-

友田:見えるだろう。

辻本:そうそう、何かわかるだろうっていうので行くんだけど、その自分たちがこう思ってる時間では- まだそう、「あれまだっぽいな」みたいなのが続いて。で、最後もね、結局頂上らしきところがもしかしたらないのかもしれないんですけど、何かこう、なんですか、展望台みたいなところには着かず。

友田:うん。

辻本:で、そのままなんか不気味なまま、その、なんていうか、ジメッとした山を降りてきたんですよ。

友田:はぁ。

辻本:で、あれは何かこう、すごい危機ではなかったけど、やっぱり山ってゾワッとするなっていうのと、思ってた山じゃなかったというか。多分高尾山とかって別に、まあまあ高尾山って例が悪いけど、東京近辺の山ってそんなジメッとしてないんですよ。森っぽくないっていうか。そんな、なんて言ったらいいのかな。うーん。そうですね、なんか、なんか白神山地はこう、水っぽい感じなんですよね。

友田:うーん。

辻本:その土っぽい感じっていう。なんかあの怖い感じっていうのを思い出しましたね。

友田:なんかその、今さっき辻本さんが「山頂みたいなものがない」みたいなことを言ってたけど、でもそれも一つの特徴で、気づいてないと迷う要因かもしれないですよね。

辻本:そうですね。

友田:一個山頂があることを前提に登ってると、要するに山頂ないかもしれないみたいな。

辻本:そうですよね。

友田:別に山頂、その、ただ、えっとなんて、尾根っていうか、長い尾根だけがずっとあるみたいな。

辻本:そうだったのかもしれないです。だからなんか勝手にね、こう都会に住んでる人が山登り行くと、上に展望台みたいなあって遠くが見えるみたいなイメージがあるけど、別にそういうの作んなきゃいけないわけじゃないですもんね。

友田:そうですね。だから地形のバリエーションがどういうのがありうるかっていうののが、自分の今想定してるものと、今いる場所のことと合ってないと、それだけでも間違いそうな気がします。

辻本:確かに。だからそう、あの表示が少ないから、そのバリをやってるわけじゃないんですけど、「本当にこれ道なの?」みたいなところを行くしかない時もあるんですよね。

友田:一応その登山マップみたいなので行ってるんですよね。

辻本:そうです、そうです、そうです。で、別にそれちょっと行けばちょっと道っぽいの出てくるんですけど。

父と遭難しかけた山

友田:うん。私もその昔遭難しかかった時って、その父と遭難しかかった時っていうのは、そんなんですよ。

辻本:ああ。

友田:なんかルートで行きしは、違ったかな、行きしバスで行ったのかな。いや、行きしも歩いて行って、行きしはもういっぱい人が歩いてるルートで行って、帰り、こっちにもこのルートあるねって書いてあるねってなって。なんかその山の、その売店みたいなところの人に聞いたら、「うん、まあそっちはあんまり行く人は多くないけど、そっちでも行けますよ」みたいな感じで言って。で行ったんだけど、そしたら途中から道がなくなるんですよね。

辻本:はいはいはい。

友田:どっかでもしかしたら間違ってるのかもしれない。

辻本:それがね、わかんないんですよね。

友田:わかんない。ほんとね、あれはね、どんどん草むらみたいになってって。

辻本:はい。

友田:子供だから、草むらの中に自分が埋もれてしまうっていうか、なって。で、もうどうなるんだろうと思って。で、山だから雨が午後になると降ったりとかするでしょ。

辻本:はい。

友田:暗くなってきて。

辻本:暗くなってきますよね。

友田:「どうしよう、どうしよう」って言ってたら、急に車の走る音が聞こえてきて。その道に出て。

辻本:結構覚えてますね。

友田:うん、覚えてる。それで「あ、出てきた」と思って。

辻本:はいはい。なんか洞窟で光が見えてきたみたいなね。

友田:車が走ってるとこまで出れば、一応車のその通り沿いに行けば必ずどっかへたどり着けるから。「よかった、よかった」って言って。そしたら案外ね、近くまで帰ってきてましたよ。

辻本:ああ。

友田:その元々のところの。

辻本:それでもまあ運がいいっていうことですよね。それ。

友田:そうなりますよね。

辻本:そうですよね。

友田:そうね、それ別にこうやったらうまくいきましたって話じゃないもんね。

辻本:そうですよね。

友田:だけど、さっきその辻本さんも言ってたけど、あの、「でも進むしかないから」って言ってたけど。

辻本:はいはいはい、うん。

友田:まあでもどうなんだろうな。

辻本:あれもまあその時の心理ですよね。その、本当はもう戻った方が確実じゃないですか。同じとこ戻ればいいんだから。

友田:でも戻れるかっていう。

辻本:まあまあそれも不安ですね。

友田:印つけてたら別だけど、戻れるんだろうかみたいなこともあるし。うーん、今だとまたね、それこそGPS。

辻本:ああ。

友田:スマホでとか。

辻本:うんうんうん。

友田:マップのデータがないと意味ないですよね。 GPSは衛星からの。

辻本:そうですね。

友田:位置取ってるだけだから、どこでもちゃんと測れてるけど。

辻本:ネットとも。

友田:うん。マップがね、Googleマップ開いても、あの、よく圏外っていうか。

辻本:何もない。

友田:の時、グレー色の、グレーの中に点だけがあるっていう。あれなんかむしろ地図で粗い地図データぐらいは。

辻本:オフラインでね。

友田:持っといてくれればいいのにっていつも思いますけど。

辻本:近くに行ったらそこだけ持っといてくれみたいな。

友田:うん。なんか思いますけどね。

辻本:うん。

友田:まあだから何ですかね、山は怖いっていう、そういうことじゃないんだけど。

辻本:いやいや、でもバリっていうのあるの知らなかったです。結構やってる人いるんですかね。

友田:なんかいるらしい。まあちょっとこの小説でしか私は知らないから、実際そのバリエーション。

辻本:それってあの、友田さん、あのわかんないかもしれないですけど、その登山道みたいのがあって、でも登山道の横には、なんというか、なんて言ったらいいんだろう、こう、まあもちろん登山道の外側には普通に木が生えてる場所があるわけじゃないですか。そこを行くってことですよね、基本的には。

友田:そのだから獣道っていうことじゃ。

辻本:でもそういうことですよね。

友田:その、うん。で、その小説の描写を読む限りだと、その、なんか川、川っていうか、最初小川みたいになってたところが、えっとこれ何て言うんですか、ちょっとこう、えっと。

辻本:くぼみみたいな。

友田:くぼみ、くぼみ、くぼみがずっと続いて、要するに普段はもう水が流れてないようなくぼみのルートみたいなのができてきて、そこに枯れ葉なんかこうなんか積もってるみたいなところが。だけどそこがちょっとなんていうか、谷地型のものがずーっと上に向かって続いてたりとか。

辻本:ちょっと道っぽくなってるっていうか、人が歩くようにはなってないけど、その他の木がボーボーに生えてる場所よりは通り歩けるみたいな。

友田:歩けるようになってたり、あるいは尾根があったり、尾根的なものが続いてたりとかして、そこをなんか行ける。そうですね。まあだから。

一人出版社にも「バリ」がある

辻本:でもなんか今これ無理やりつなげる感じに聞こえちゃうかもしれないですけど、あの、一人で出版社やってると、ちょっとバリっぽいって感じる時ないですか?僕結構ちょくちょくありますけどね。

友田:うん。あの、それは思いましたね。

辻本:ああ、思いました。

友田:だから、で、それはこの小説はなんかある種そういうものを書いてるとも思いましたね。明確、明確にそういうことを書いてるわけじゃないけど、その、そういう心境をここでは書いてるなっていう感じは思いました。そう、だから、通常の登山道だったらここでこうやって、こうやって、要するに手順があるわけですよね、ルートがね。だけど、別に誰もやってないところを、このここかなとかって言って、で、足をそこに入れてみて、あ、ここはちょっと安定してないなとかって言ってずらして。

辻本:結局ね、ちょっと行ってすぐ戻んなきゃいけないこともあるだろうし。

友田:それが結局一人出版社もそうだし。

辻本:怪我するしね。

友田:そうそう、危ない。

辻本:危ないですよね。

友田:要するにみんなにやったらいいよっていう勧められるものではないっていう。だから、なんかその、ま、起業、起業家の人もそうかもしれないし、研究者とかだってそうだと。要するにまだやってないからやってるわけだから、例えば研究者とかっていうのは、みんながここ行ってるんで行ってみましたっていうのは研究にならないわけでしょ。もちろんそれはやると思うんだけど、それだけでは研究にならないので、まだ行ってないけど、この辺だとここからも行けるような感じがしてとか、ここになんか面白そうなものがあるような気がしてっていうわけだから、その、っていうことですよね。

辻本:そうですね。

友田:そうそう、だからそれで、そうだそうだ、それ思ったのは、だから同じ山に登ってるって言っても、なんか真逆のことをしてるっていうか。

辻本:ああ。

友田:みんなでよく知られた道をみんなで登りましょうっていう時に、もちろんその山登るっていうことが目的ではあるんだけど、それ自体じゃなくて、なんかある種のそのコミュニケーションっていうか、交流だったりするわけですよね。

辻本:それはそれで楽しいし。

友田:と同時に同じ山なんだけど、その誰か人と何かをするとかではなくて、何か違うこと。

辻本:アタックしているというか。

友田:探究的なことをやってるっていうことが、同じ場所でどっちもあるっていうことなんですよね。

辻本:そうですね。しかもものすごく物理的に見えやすいですよね。なんか出版、その、なんていうか、既存の出版と一人出版社はまあ違うけど、でも別に見えないから、別に全然違う山を登ってるとも言える気もするけど、同じ山を物理的に登ってたら、本当に同じ山なのに違うことをしてるっていうのが見えやすいという。

友田:物理的に違うところから出てくるから。

辻本:そうですよね。

友田:確かにそれはすごいわかりやすい。街で暮らしててもそうですよね。見かけ上、普通の社会人にしか一人一人は見えなくても、ある人はそういう決まったその道っていうか、ルーティンをちゃんと着実にこなす人もいれば、もしかしたら職場では未知の何か生物を調べてる。

辻本:調べてたり作ったりして。

友田:作ったりしてるかもしれない人も普通に紛れてるわけです。その、いろんな人が紛れてるっていうのは、今そのちょっと言ってて。で、それが山だと割とくっきりと分かっちゃうっていうのも、それは面白い。物理的なあれがあるから。

辻本:確かに想像すると、なんか自分がバリっていうのをやってなくて、みんなと一緒に、一緒に行こうって言った人が、その途中の道、途中で例えばみんなで山道登ってて、そしたら知り合いが違う- 道、道じゃないところから出てきたらすごい面白いですけどね。[笑い]え?って。本当にそっちから来たんか。

友田:びっくり、びっくりしますよね。

辻本:まあ本当に動物みたいなことってことですもんね。そういうのは。

友田:そうですね。そうですよね。

辻本:一回やってみたいけど。

友田:普通に社会人として普通に働いてても、そのノーマルとバリエーションと。

辻本:うん。

友田:どっちもあるみたいな状況とか。

辻本:うんうんうん。でもそれぞれの人にね、バリが出る瞬間もあるだろうし。

友田:うーん。だってその飲み屋さん行くのだってそうじゃないですか。まあ辻本さん飲まないかもしれないけど、あの、お店入るのにも。

辻本:あー。

友田:知ってる店とか、あとはチェーン店、チェーン店だったらそんなすごい感動とかはないけど、でも最低まあその食べられないものとか、よく知らないものが出てくるとかはないから、大丈夫。そのどこ行った、どこだろう、外国行ってとりあえず困ったらマクドナルド入れば、マクドナルドはよっぽどそんなひどいマクドナルドとかはないんじゃないかみたいにありますよね。

辻本:はい。

友田:それはノーマルのやつで。

辻本:飲み屋は結構ありそうですよね、そういうのが。小さい、あの、ちょっと古くからやってるボロい飲み屋は面白いみたいな人もいるけど、僕はちょっとあそこ入れないなみたいなと行く人もいるし。

友田:しかも本当に外れがあるからね。

辻本:そうですね、そうですね。

友田:お店、飲食店で。

辻本:そうですね。

友田:ここやばそうだけど、ほんとやばかったねみたいな。その、もうやって、実はやってないんじゃないみたいなのとかあってね。あの。

辻本:あ、そうか、だからそうか、バリっていうの、そうか、バリっていうのはその山のことだけじゃなくて、まあ今の友田さんの話聞いただけで、バリっていう用語が僕の中に入ったので、なんかこれはバリ、この人はこの部分バリだなとかっていう風に思うことできるようになりますね。

友田:そうなりますね。ちょっと今それ全然思ってなかったけど、そんな感じは。しかもね、その、あ、うーん、まああんまり中身を喋るとあれなんだけど、あ、面白い、これ面白いなと思うのが、その、この語ってる普通のサラリーマンの私っていう人と働いてて、登りしてバリエーション連れててもらってる私と、このメガさんっていう一匹狼みたいなバリエーションをこう楽しんでやっている人といて、あの、なんていうのかな、メガさんの方がよくわかってる人みたいなことじゃないんですよね。

辻本:へー。

友田:もちろんバリエーション登山に関してはわかってると思いますけど、そういうことじゃなくて、ちょっと、まあ言い方がちょっと難しいけど、ある意味ちょっと狂ってるんですよ。

辻本:うん、はい。

友田:狂ってるんだけど、でもバリエーション登山に関してはやっぱり熟知してるし、何か面白さをこの人は知っている人として見えていて、私からは。で、あの、私っていう人が憧れているわけなんですよ。

辻本:そうですね。

友田:この人は何かこう、えーと、何て言うか、まあある種悟りっていうか、要するに一匹狼でも会社でやれていて、バリエーション登山にも熟知していて、何か自分には到達していない何か境地に到達しているのではないかっていう、で、それはそこまで行くとどんなもんなんだろうみたいな。まあある種だから憧れっていうか。

辻本:そう思わせるものありますよね。

友田:あるんだけど、進んでいくと、え、これって単に狂ってるんじゃないかみたいな。[笑い]なんか楽しいでしょ?ここいいでしょ?って言って、その、この先もっと楽しいよみたいに言って、どんどん分け入っちゃう。

辻本:入っていっちゃう。

友田:みたいなね。

辻本:うん。

友田:だからね、これほんとこの小説面白いし、よくできてるなと思って、思いました。でも現実にもこういうのありますよ、やっぱり。

辻本:あー。

友田:なんかやっぱり憧れって合理的じゃないじゃないですか。

辻本:そうですね。

友田:なんか私もそういうことをやってみたいなとか、それをやったらどんな心境になるのか、自分でもやっぱりやってみたいなみたいな時に、それって、あの、自分には合理的にこれができるってこととは全然違うと思うんです。

辻本:むしろ、なんでこの人これやってんだっていうのがわからないのに、その人がすごく楽しそうにやってるっていうのは一つ、なんかこっちが引きつけられる条件な気がする。

友田:そうでしょうね。っていうのを、これ今何の話だったかな、忘れちゃったんだけど。[笑い]その話、この話を今熱くしてしまったがために、元々どっから来たか、ちょっと道を今見失っ、来た道を見失って戻れなくなってしまっているんですけど。

辻本:そうなんですか。[笑い]

友田:なんかでもね、その、で、どっちもいるんです、実は。

辻本:はい、それはそうですね。

最初はすべて道のない場所だった

友田:その話がしたかった。だから、えっと、この小説でも出てくるんだけど、登山道も最初から登山道があるわけではないと。

辻本:ほう。

友田:最初全部バリ、バリエーションなんで。

辻本:そうだよね。

友田:誰かが整備した結果、あるいは大勢の人がそこを通るようになった結果、そこが道になってるだけなんだと。最初全バリエーションなんです。

辻本:うん。だってここの道だってそうじゃないですか。

友田:そう。 だからそうなると、そのバリエーション開発してる人がどこにもいない状態っていうのは、それはそれで本当は困るわけですよね。

辻本:ああ、そうですね。それはそうです。うん。

友田:で、一方で開発されたバリエーションを使って登ってる人もやっぱりいるんですよね。

辻本:うん。

友田:だからどっちもいる、いるっていう話で。

辻本:そうですね。

友田:どっちかがいいってことじゃない。

辻本:それはそう、本当にそうですよね。

友田:で、それは。

辻本:それだからこの最初の保守の工事にもつながるのかもしれないですね、その。

友田:そうかもしれない。保守工事。

辻本:それはいつもの、いつもみんなが登る山道を。

友田:うん。

辻本:あの、まあわかんない、ゴミ、ゴミなのか、木の枝がこう飛び出てきたのを切るとか、いろいろあると思うんだけど、そういう人がいないと登れなくなっていっちゃうわけだから、山道を。

友田:うん。あ、そうね。だから道を補修してくれるってことですか。うん、そうですね。そう。だから、どっち、あ、そう、だから新築建てる人もいれば補修する人もいるっていうのもそうだし。

辻本:うん。新築だってね、建て、建て、建て売りとか、その、なんだ、もうできているものをこれって選んで建てる人もいれば。

友田:うん。

辻本:ここでここはこうしたい、ここがこうしたいっていう人もいるだろうし。

友田:オーダーメイドで。

辻本:うん。

友田:うん。なんかその、そう、だから、ま、どっちもいるっていう[笑い]話なん、ではあるんですけど。

辻本:うん。

友田:うん。なんか。

辻本:面白そう。すごく。

友田:こう、いろん-いろんな面白がり方ができる小説だなと思って。いや、その、それこそ今私自身は会社員じゃないから、会社員が主人公の会社員としての葛藤みたいな小説とかが、その、そのまんま、こう、琴線に触れるかっていうとそうではないんですよね。

辻本:確かに。

友田:随分。

辻本:僕もそうかもしれないですけど。うん。

友田:じゃあだからといって、じゃあ何にも感じないかっていうと、やっぱそんなことはなくて。

辻本:うんうん。

友田:それはつまり会社員じゃないから会社員的シチュエーションないかっていうと、そんなことはないんですよね。一応社会で暮らしてる以上、働いて暮らしてる以上は同じようにやっぱいろいろあるじゃないですか。だから、そういう意味では山登ってないけど、な-登ってなかったとしてもなんかいろいろあるし、それで自分のなんかこう、記憶とか、なんか琴線にこう引っかかってくるものっていうのもあるし。

辻本:うんうん。

友田:みたいなと思いましたね。

辻本:いい。面白そうです。

友田:小説ちなみに読みますか?

辻本:僕読みますよ。

友田:読みますか。

辻本:今日だからちなみに僕も小説を持ってきました。

友田:[笑い]なんかね。

辻本:いつもそう。

「小説は読んだ方がいい」とは何か

友田:毎回被るんですよね。あ、そうですか。いや、なんかね、まあ私は小説書こうともしてるし、もちろん読んでもいるんですけど、まあだから、と、の立場で言うとあんまり説得力はないんだけど、やっぱね、小説は読んだ方がいいという。

辻本:ああ、そういう、はいはい。

友田:その、なんか、まあ別にビジネス書とか自己啓発書がいけないってことではないんですけど。

辻本:うんうん。

友田:その、何て言うのかな。まあ答えが書いてあるわけじゃない本っていうか。

辻本:はい。

友田:そのまんま飲み込むもの。

AIの返答を読むことと、小説を読むこと

辻本:うん。しかも最近僕、あの、最近まあみんなもそうですけど、ChatGPTとか、え、あの、大規模言語モデル出てきたことで。

友田:はい。

辻本:その自分用の文章って。

友田:うん。

辻本:すぐ読めるっていうか。

友田:はあ。

辻本:その自分が質問したことに対する。

友田:うん。

辻本:回答とか、こういうのやってって言って出てきた文章って自分用の文章だと思うんですよ、僕。

友田:まあそうですね。

辻本:それで、その、何て言うんですかね、別にペースも何もないっていうか、もうよ-読んだらわかる文章が書かれていて。

友田:うんうん。

辻本:で、なんだけど、あの、まあまあそれってビジネス書とか自己啓発本も近いと思うんです。その、ある程度答えが書かれていて、その題名に対する、題名を僕が問うたからそれを手に取ったみたいな。

友田:それはそうだ。確かに。

辻本:ことだと思うからです。

友田:質問に対する答え、アンサーがそこに。

辻本:そうです、そうです。だからまあ割にこう、AIに質問するのに近い、まあ近いって言うと怒られるかもしれないけど、近い、近い方だと思うんですよ。で、でも小説はだいぶそれと遠いっていうか、その著者の人の、あの、文章で書かれてるし、その著者の人のイメージの速度とかで書かれてるし、しかもその今友田さんがおっしゃったように、その、ぶつ切りっていうか、もう断絶されちゃうんですよね。その、このオチがない場合もあれば、そのもしかしたら感動がある場合もあるかもしれないし、その、なんか風景でボンと終わることもあるし、それも僕が計画できることじゃないから。

友田:そうですね。

辻本:そういうところ、そういう点でこう全然違うなっていうのを最近こうAIと話す中で思うようになりましたね。

友田:ああ、なるほど。そうだと思います。だからそれって、えっと、何て言うのかな。自分の今生きてる生と。

辻本:うん。

友田:とか時間っていうのと、違う時間をもう一個生きられるみたいな感じだと思うんですよ。

辻本:そうですね。そうですね。うん。

友田:結局その質問に対してAIが答えてくれたり、自分が必要としたものをどっかから持ってきて読んでるっていうのは、結局自分と。

辻本:はい。

友田:こう相対的な関係にあるっていうか、自分っていう。

辻本:箱の中に。

友田:なんていうの、型、型っていうか型があったら、型押ししたその反対側があるだけで。えっと、それって結局同じことだっていうことだと思うから、それでいうと全く違う型が外から来るみたいなことだったんですよね。

辻本:そうですね。今の話でいうと、その新しいことを知るのと、その今の新しい型がなんとなく入ってくるみたいなのって違うってことですよね。多分新しい知識が入ることと、その多分小説ってこの、なんていうか、別になんか学ぶわけじゃないけど、その他の人が入ってくるみたいなことで。

友田:うん。

辻本:そうですね、そういう意味で読んだ方がいいっていうのはわかりますね。

友田:そうですね。まあこの「小説を読んだ方がいい」っていう話は、まあ、もっとちょっと引き続き考えて。

辻本:それはそうですね。

友田:しつこく[笑い]、何がどういいのか、そもそもいいってどういうことなのかっていうことでもあるからね。あのあれですけど、考えていきたいなと思います。

辻本:じゃあ今日は。

友田:結構、結構喋りましたね。

辻本:喋りました。

友田:なんか今まだ一時間ぐらいかな、一時間以上喋ってますね。

辻本:今日紹介した本は。

友田:はい。えーと、松永K三蔵さんの、えーと、『バリ山行』、講談社です。

辻本:はい、ありがとうございました。

友田:ありがとうございました。

[エンディングミュージック]

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